ドラフト候補・慶大「清原正吾」の“守備”は「プロでも全く問題ない」 通算306本塁打のレジェンド打者が太鼓判 では“長打力”開花の条件は?

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「4番ファースト、清原くん」──東京六大学野球のファンには、おなじみのアナウンスだという。全日本大学野球連盟は9月12日、慶應大学の4年生、清原正吾内野手がプロ野球志望届を提出したと発表した。彼は西武や巨人などで通算525本のホームランを放った清原和博氏の長男。身長186センチ、体重90キロと恵まれた体格がひときわ目を惹く。

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 担当記者は「何しろ父親が清原和博さんですから、注目度は桁違いです。10月24日に開催されるドラフト会議で指名されるのかどうか、早くも大きな話題になっています」と言う。

「清原選手の現時点での通算成績は、23試合に出場して打率2割2分0厘、8打点、そして最も注目されているホームランは残念ながらですが1本(註:9月29日現在)。その一方で、8月31日に東京六大学の選抜チームと日本ハムの2軍が対戦した際、清原選手は4番・ファーストでスタメン出場しました。6回表の1死一塁で打席に立つと、日本ハム山本晃から見事なホームランを放ち、これでプロ野球ファンの注目を一気に集めたのです」

 プロ野球には興行の側面もある。もし“清原ジュニア”が入団すれば、春のキャンプに多数のファンが押し寄せるのは間違いないだろう。

 ヤクルト、巨人、阪神の3球団でプレーし、通算306本のホームランを放った野球評論家の広澤克実氏は、東京六大学リーグのテレビ中継で解説を担当している。

 広澤氏は明治大学の主軸打者として活躍。特に1983年には2シーズン連続首位打者、4試合連続ホームランを達成するなど、六大学リーグ屈指のスラッガーとして名を馳せた。通算記録は69試合に出場し、打率3割5分1厘、47打点、ホームランは18本を放っている。

清原選手の特異な“経歴”

 六大学野球の“先輩”である広澤氏に、清原選手がプロ入りする可能性はどれくらいなのか話を聞いた。

「『清原正吾』という野球選手を現時点の評価だけで見れば、率直なところプロ入りは非常に厳しいと言わざるを得ません。ドラフト会議で球団から全く指名されなくても不思議ではないでしょう。とは言え、清原選手は特殊な“経歴”の持ち主です。具体的には中学と高校の時に野球から離れました。これをどう考えるかによって、清原選手の評価は全く違ってくると思います」

 清原選手は慶應義塾幼稚舎に入学し、小学生の6年間は野球に打ち込んだ。名門チームの「オール麻布」で長距離バッターとして頭角を現していたが、この時は軟式であり、硬式を経験することはなかった。

 そして中学生になると、清原選手は野球から離れる。慶應普通部ではバレー部、慶応義塾高ではアメリカンフットボール部に所属した。後に応じた複数のインタビュー取材で、野球を続けなかった理由として「小学6年生で両親が離婚」や「清原の息子という重圧」を挙げている。

 広澤氏は中学時代、柔道部に所属して北関東大会で準優勝を成し遂げた。アメリカのメジャーリーグでは、アマチュア時代に野球だけでなく、アメフトやアイスホッケーも経験した選手が少なくない。

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