ドラマ「極悪女王」が絶好調スタート 絶賛の嵐を呼んだ「全女ブーム」のリアルすぎる描写

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配信初日から大ヒット

 ゆりやんレトリィバァ(33)が女子プロレス界のレジェンドヒール・ダンプ松本(63)を演じたNetflix(ネトフリ)シリーズ「極悪女王」の配信が19日よりスタート、配信初日から4日間連続で日本の「今日のTOP10(シリーズ)」において1位を獲得した。さらに、「Netflix週間TOP10(シリーズ)」でも1位を獲得し、7月末から配信されていた「地面師たち」を押さえる大ヒットスタートを切った。

 企画・脚本・プロデュースを鈴木おさむが手掛け、映画「孤狼の血」などで知られる白石和彌が総監督を務める強力タッグが描くのは、1980年代、悪役として全日本女子プロレス(全女)に大ブームを巻き起こした、ダンプ松本の半自伝ドラマだ。

 ダンプの宿敵でプロレスの枠を超えて大人気となったタッグチーム、クラッシュ・ギャルズの長与千種(59)を唐田えりか(27)、ライオネス飛鳥(61)を剛力彩芽(32)が演じる。他にも、1999年に亡くなったジャッキー佐藤、さらにジャガー横田(63)、デビル雅美(62)、大森ゆかり(62)、ブル中野(56)ら、“全女ブーム”を牽引したレスラーたちが実名で登場している。

「WEB記事や、YouTubeのレビュー動画ではとにかく絶賛の嵐。本作で長与はプロレススーパーバイザーを務めていますが、女優陣は彼女が設立したプロレス団体『Marvelous』で、22年7月のクランクインまで約2年にわたり、基礎から指導を受けました。筋トレや食事でゆりやんは約40キロ、ほかの女優たちは10キロほどの増量。しっかり身体と技を仕上げて撮影に臨んだので、リアルな試合シーンとなっています。高評価されている理由は試合シーンだけではなく、これまで、この手の作品ではあまり見られなかった、プロレス界の裏側を、かなり踏み込んで描いているところにもあるようです」(元プロレス担当記者)

 その裏側を描くためのカギとなるのが、レスラーではない4人の登場人物だ。

 一人目は、村上淳(51)が演じた全女の創設者で、社長・会長を務めた松永家の三男・高司氏。

 黒田大輔(46)が演じた、レフェリー・ジミー加山としてリングにあがり、後に社長となる四男の国松氏。

 斎藤工(43)が演じた五男の俊国氏は一時は審判部長も務めた。そして、音尾琢真(48)が演じたのが、もとは興業プロモーターで、ダンプが率いた「極悪同盟」に肩入れしたレフェリーとして、ファンからも嫌われ者になる阿部四郎氏だ。

「劇中には登場しませんが、全女の経営陣には松永家の次男で副社長だった健司さんも参加し、松永4兄弟で経営していました。当時の全女は、高司さんがトップに君臨する完全なる独裁国家。所属レスラーたちに“人権”はありませんでした」(ベテランプロレス記者)

 その最たるものが、「酒・タバコ・彼氏」を禁じた「三禁」、そして、「女性は若いうちしか売れない」という高司氏の信念に基づいた、25歳で引退を強いられる「25歳定年制」だった。

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