「素手でドブさらいやトイレ掃除を命じられ…」3度目の逮捕「羽賀研二」が語っていた「辛酸の獄中生活」 懲罰房に10数回、全財産は「6万円」に

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 タレントの羽賀研二容疑者が9月25日、逮捕された。容疑は、所有する不動産の差し押さえを免れるために、偽の所有権移転登記をしたという「強制執行妨害」容疑。6代目山口組の幹部らも共に逮捕されている。

 羽賀は2007年、2019年に続き、3度目の逮捕となる。いずれも起訴され、実刑判決を受けて服役した。一度目の逮捕の際には刑務所に6年弱服役し、出所直後、その辛酸な生活を「週刊新潮」誌のインタビューに語っている。当時の記事を再録し、彼の転落ぶりを振り返ってみよう。
(「週刊新潮」2020年3月26日号記事の再掲載です。文中の年齢、役職、年代表記等は当時のものです)

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 愚かで、無知で、八方美人で、美味しい話にすぐ飛びつく。それが過(あやま)ちを招き、多くの人に迷惑をかけてきました。判決内容にかかわらず、まずは反省して言い訳をせず、世間の皆さんに謝らなくてはいけない。今の僕は、人生で一番しおれている時ですから……。

〈そう語るのは羽賀研二、58歳。もうすぐ還暦とは思えない姿は、タレント時代の面影を色濃く残すが、顔に刻まれた皺(しわ)は深く、時に虚ろな表情を浮かべる。

 なにせ5年8カ月、塀の中で過ごした身である。今月18日に那覇地裁で開かれた刑事裁判の判決は、懲役1年6カ月の実刑だった(本インタビューが行われたのは判決前)。ここに至るまでの経緯は複雑で、多少の説明が必要だろう。

 そもそも、羽賀が最初に逮捕されたのは2007年6月にまで遡(さかのぼ)る。

 知人男性に医療関連会社の未公開株の購入話を持ちかけ、3億7千万円を騙し取ったなどとして、元プロボクシング世界王者の渡辺二郎と共に、詐欺と恐喝未遂の罪に問われたのだ。

 交際していた梅宮アンナと破局、その後も“誠意大将軍”を名乗り、バラエティなどで注目され続けた彼の転落劇は、世間に波紋を広げた。

 大阪地裁の一審判決は無罪で、続く大阪高裁がそれを破棄し、懲役6年の実刑判決を下した。羽賀は上告するものの、13年3月28日には最高裁で棄却され、判決が確定。昨年1月まで、沖縄本島にある沖縄刑務所に服役した。

 片や被害者の知人男性は、刑が確定後に損害賠償を求めて民事で羽賀を提訴。裁判所は約3億9千万円の支払いを命じたのだ。

 しかし、服役中の彼は17年1月に所有する沖縄の不動産を、協議離婚した元妻へ譲渡していた。これが差し押さえを防ぐための「虚偽離婚」だとして、昨年1月18日、沖縄県警は強制執行妨害などの容疑で獄中の羽賀を再逮捕したのである。

 折しも刑期満了で出所目前というタイミング。起訴後は保釈されたが、昨年11月から那覇地裁で裁判が始まり、この度の判決と相成ったわけだ。

 検察から懲役2年を求刑された羽賀は、一貫して無罪を主張しつつも、マスコミには沈黙を守ってきた。そんな彼が、出所してから初めて取材に応じ、逮捕から獄中までの日々を告白する。〉

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