姉殺害で起訴“浅草資産家夫妻”の捜査は拡大継続中 警察は「あと2人いる親族の不審死も疑っている」

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半年間で「3人が死んでいた」

 だがこれだけで捜査は終わらなかったのである。

「警視庁は美奈子さんが亡くなった前後に、立て続けに病死したとされていた健一被告の両親についても、夫妻の関与を疑っています」(同)

 下記は細谷家の4人が死亡した時期を時系列で並べたものだが、これを見るだけでも怪しさが漂う。

・2018年1月21日 健一被告の母親(当時68)
・2018年4月29日ごろ 細谷美奈子さん(当時41)
・2018年6月5日 健一被告の父親(当時73)
・2023年3月13日 細谷美輝ちゃん(当時4)

 わずか半年間で3人も亡くなっているのである。近隣住民もこう振り返る。

「あの年は異常だった。ついこないだお母さんのお葬式があったと思ったら、すぐに姉、そして父でしたから。みんな元気に暮らしていたのにびっくりしました」

 警視庁は捜査を続けるうちに事件解明の糸口となりうる“新証拠”を発見したという。

「病院に父親の血液が残されていたのです。もし毒物を摂取していたとしたら何らかの痕跡があるはずだと今これを徹底的に洗っています」(前出・記者)

経費の使い方で家族とトラブル

 もし両被告が両親の死にまで関与していた場合、どんな動機が考えられるのか。

「美輝ちゃんに関しては『かわいくない』という理由で殺害したとみていますが、その他の家族とは一家で営んでいるビジネスホテルの経営方針、特に経費の使い方をめぐって対立していたと言います」(同)

 志保被告は金遣いが荒く、買い物三昧だったという。一家に詳しいある関係者はこう証言する。

「デパートに行く度、両手に買い物袋をいくつもぶら下げて帰ってきた。一度に100万円近く散財することも。ネットでも子供服などを考えもせずに注文する生活で、家の中は物で溢れゴミ屋敷状態になっていた」

 警視庁は志保被告が一連の事件を主導したと見ている。

「志保被告はもともと夜の店に勤務していて、健一被告は客として通い詰めていた。結婚後も健一被告は志保被告にぞっこんで、言われるままに甘やかしていたと言います」(前出・記者)

両被告の様子は?

 だが健一被告の“洗脳”は解けつつあるという。

「当初は頑なに否認していましたが、徐々に話をするようにはなっている。一方の志保被告は変わらずで、取り調べにも応じようとしない。暴れ出すので車椅子で動かさなければならない時もある」(同)

 資産家一族の間でいったい何が起きていたのかーー。捜査の成り行きを見守りたい。

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