「“オレのせいかな”とヘラヘラ」 知床遊覧船事故、逮捕された社長ののんき過ぎる日常…地元の行事の中止に対して無神経な一言

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“責任転嫁”の見本のような人物である。

 北海道・知床の海に沈んだ船「KAZU I(ワン)」の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(61)のことだ。

「2022年4月の事故から2年半。ようやく、9月18日に逮捕されました」

 と、社会部デスク。

「海保の第一管区海上保安本部は、業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで社長を逮捕、送検しました。運航管理者である社長が、強風、波浪注意報が発表されるなか“条件付き運航”を決定。航行継続の判断を船長に任せた結果、事故を招いたとみています」

 前代未聞の大惨事以降、桂田容疑者は、

「運航管理者としての責任は認めつつ“海が荒れたら船長の判断で引き返すと思っていた”と主張し、逮捕後も同じ供述をしている。“事故3日前の国の検査ではなにも言われなかった”と、国にも責任があると言わんばかりの態度です」

 しかも、遺族と向き合おうともしておらず、

「事故の4日後に開かれた“土下座会見”のあと、公の場に姿を見せてこなかった。昨年4月の追悼式も“呼ばれていないので行けない”と欠席し、今年4月の追悼式にも出ていません」

 桂田容疑者はこうした姿勢を貫き、地元の斜里町で暮らし続けていた。

「悪口が一族の耳に入るのを恐れていた」

 地元のウトロ漁協のベテラン漁師が語る。

「会社の安全管理規程では、運航中は事務所で船長と連絡を取り合うと定められていたのに、出航決定後、精一は出産を終えた奥さんを迎えに行って事務所を空けていた。それで対応が遅れたんだから人災だよ。でも、地元で表立って批判されることはなかった」

 一体どういうことか。

「地元の名家の出なんだわ。父親はレストランや民宿を経営する傍ら、斜里町議を長年務めた人物。その息子の精一は土地を離れて陶芸家をやっていて、20年ほど前、民宿を継ぐために戻ってきたんだ」

 この民宿を足掛かりに、桂田容疑者は複数の観光ホテルやゲストハウスなどを持つ観光グループを築いた。

「地元住民の多くはなんらかの形で観光業に携わっていて、いまも観光グループと取引している。事故後は父親がグループを引き取り、精一も前社長として札幌などに出張していた。地元住民は、悪口が桂田一族の耳に入って取引を切られるのを恐れていたんだよ」

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