「打ち損ないでもレフトスタンドに」 大谷翔平のバッティングはどこが変わったのか? データから徹底分析
敬遠が減少
先の友成氏が続ける。
「現在、打点でもトップを争っていますが、これは打数が増えたのも理由の一つです。昨季の大谷は敬遠四球が多かった。それはエンゼルスに強打者が少ない上、マイク・トラウトもケガで出場が全試合の5割ほどにとどまったためですが、今季のチームメイトはムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンなどMVP級がそろう。いきおい相手も、大谷に勝負を仕掛けてくるのです」
さらに、飛躍した盗塁数についても、
「大谷自身、今季は最初から打撃一本で臨むことは分かっており、例年とは違って春キャンプは走塁から始めていました。ドジャースには盗塁のスペシャリストともいえるクレイトン・マッカロー一塁ベースコーチがいます。エンゼルスでの6年間の盗塁成功率は72.3%で、MLBプレーヤーの平均値以下だった。ところが今季は一気に93.3%まで上昇し、失敗はわずか4回(26日現在)。昨季、73盗塁を記録したブレーブスのロナルド・アクーニャJr.の成功率84%を9ポイントも上回っているのです」(同)
出塁するたびに打ち合わせ
ここでも“コーチ力”が。
「エンゼルス時代のベンジー・ヒル一塁コーチは、相手投手のモーションに要する時間をストップウォッチで測るなど、ありきたりの策しか講じませんでしたが、現在のマッカローコーチと大谷は、出塁するたび一塁ベース上で、あるいはベンチ内でも頻繁に打ち合わせをしています」(同)
後編【「あの打ち方をできるのは、投手だから」 大谷翔平の異色のバッティングの秘密とは? 10代の頃の大谷に相談を受けた専門家が解説】では、かつて大谷翔平から肉体づくりの相談を受けたという専門家が明かす、大谷躍進の秘密について報じている。
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