神宮外苑だけじゃない神戸市でも「樹木伐採」問題…「市立公園」の一部を関学に売却、市民側は行政訴訟を提起

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樹木も大量に伐採

 大学誘致を含む「王子公園再整備」は、市民プールと相撲場の廃止、動物園の縮小、動物園内の遊園地再整備、スタジアムの山側への移転、駐車場建設といった大規模な開発だ。王子公園は桜の名所だが、樹木も大量に伐採される。

 9月3日、実行委員会は集めた署名を手にプールの存続を申し入れたが、今秋には解体工事に入る。施設はアスベストが多く使われていた。王子公園再整備課の工藤貴三課長は「年に2カ月しか使わないプールの跡地にちびっこ広場や、子供用の小さなプールなども考えています」と話す。

 対して同委員会は「市は形だけの住民説明会を行ったが質問には答えもしない。聞き置くだけでした」(金丸正樹事務局長)、「公募など見せかけで最初から関学との出来レースだったとみる市民も多く、経緯を開示請求しましたが市は公開しない」(小林代表)と反発する。

広域避難所としての機能は減殺

 訴訟の柱の1つは防災問題だ。原告側は「再整備によって公園内のオープンスペースが減り、災害発生時の広域避難場所としての機能が損なわれる」と訴える。王子スタジアムは、阪神大震災の時に自衛隊の救援拠点や避難所になっていた。

 原告代理人の針原祥次弁護士はこう指摘する。

「都市公園法運用指針には地震など災害時の避難地などの機能としてオープンスペースと書かれている。構造物を建てればオープンスペースではない。広域避難所としての機能は減殺してしまう」

 対して前述の工藤課長は、「山側にうつす新スタジアムでヘリコプターの発着場も確保し、防災機能を強化したい」と説明する。

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