麻生か菅か、それとも岸田? 自民党総裁選のウラで進む「キングメーカー」争いの意外な“脱落者”の名前

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 混戦の自民総裁選の裏で“キングメーカー”争いも激しさを増しているという。「決選投票に誰が残ろうと、最後は派閥の票がモノを言う」と囁かれるなか、隠然たる影響力を示す麻生太郎・副総裁、菅義偉・前首相に対し、ひとりレースから脱落しつつあるのが岸田文雄首相という。その意外な理由とは。

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 高市早苗・石破茂・小泉進次郎の“三つ巴”の争いとなっている総裁選は、同時に「派閥が存在感を誇示する場にもなっている」と話すのは、全国紙政治部記者だ。

「確実視される決選投票に向け、誰が勝ち上がろうと総裁の座に就くには、岸田首相が“解消”宣言したはずの『派閥』の力学が勝敗を左右するのは避けられない情勢です。なかでも唯一、派閥維持を決めた麻生氏率いる麻生派の存在感が日増しに大きくなっている。麻生氏は派閥内候補の河野太郎氏が決選投票に進む芽はないと判断し、早くも3人のなかで唯一“乗れる候補”である高市氏支援に大きく舵を切っています。仮に決選投票に高市氏が進めば、麻生派の票は高市氏に入るだけでなく、すでに派内の一部の票を高市氏に振り分け、決選投票へ確実に進めさせる戦略を取っていると囁かれています」

 さらに、決選投票の組み合わせとして現在「最も可能性が高い」といわれる高市vs石破の対決となった際には、安倍派の多くも高市氏支持に回るという。

「第1次安倍政権下での参院選で自民が大敗した際、石破氏が続投を批判して『辞任』を求めた過去から、故・安倍晋三元首相と石破氏は犬猿の仲として知られていました。そんな因縁の相手である石破氏が8月、裏金議員の選挙での公認について問われ、『厳正に判断されるべきだ』と突き放す発言をしたことで、多くの安倍派議員が石破氏への怒りを再燃させている。自民派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、検察の最大のターゲットになった安倍派は〈裏金問題の温床〉とも形容され、そんな“脛にキズ持つ”安倍派議員にとって、石破氏の総裁就任は『オレたちが冷や飯を食わされる』ことを意味すると反発を強めています」(同)

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