「金庫のカネが偽札にスリ替えられ…」 新宿「3000万円盗難事件」被害女性が明かす、捜査線に浮上「歌舞伎町ホスト」との奇妙な“同居生活”

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「不法侵入」で逮捕の内幕

 後日、仲介役を買った知人から「改めて3人で飲みに行こう」と誘われ、安田を含む3人で飲食店に集まったという。それまでの悩みのタネが解消されたことで気分が高揚していた多田さんはその晩、かなり酔ってしまったといい、「心配だから、ボクが送っていくよ」との安田の申し出をおぼろげな頭で了承……。しかし、それが再び、安田が多田さんの家に居座るキッカケになってしまったという。

「酔いから覚めた翌日以降、『出て行くよう』に何度も迫り、実際に何度か、安田を無理やり追い出したこともあるのですが、そのたびに彼はヒモを使って玄関ドアの内カギを開けるなどして、知らぬ間に部屋に侵入していたのです。この頃には、安田は私のことを『彼女だ』と周囲に吹聴するようになり、私の行動を監視するために探偵を雇っていたことも判明。四谷署の件で懲りたのか、家賃(半額分)を支払うようにもなっていて、私は“既成事実のようなものをつくられる前に何とかしなければいけない”との思いから、警察に洗いざらい相談することにしました。最初は担当者から『痴話喧嘩ではないのですか?』などの反応を示されましたが、4月に入ってようやく不法侵入などの容疑で安田が逮捕されるに至ったのです」(多田さん)

 逮捕後、多田さんは自宅にあった金庫からお金が盗まれていることに気づき、改めて警察に被害を訴え出ることに。そして今年8月の逮捕へと繋がるのだが、安田は窃盗について否認を続け、9月上旬に処分保留で釈放されたという。

「警察からはいまも捜査は継続中で、偽札の購入経路などを追跡していると聞いています。実は金庫内にあった4000万円は1000万円ずつ箱に詰めて保管していて、計4つの箱のうち1つからは安田の指紋が検出されたそうです。ただ偽札のほうからは指紋は一切出ておらず、証拠不十分な面があったとか。金庫のカギは外出する時は私が持っていましたが、自宅にいる時は室内に置いていたため、私がお風呂に入っている時などを狙えば、安田はいつでも金庫を開けられる環境にありました。四谷署に呼ばれた昨年6月頃、安田が新しい銀行口座をつくり、以降、その口座に数百万円単位での入出金が何度かあったとも聞いています」(多田さん)

示談の申し入れ

 金庫からお金を盗む機会があったのは「安田以外にいない」と主張する多田さんは、これまで振り込まれた家賃についても、金庫から盗んだ「自分のお金」だった可能性が高いと睨んでいるという。

「実は先日、向こうの代理人弁護士を通じ、安田の母親から『100万円で示談にしてほしい』との申し入れがありました。被害額と照らし合わせれば誠意の欠片も感じられない内容で、正直“ふざけるな”との思いが消えません。出会った頃から、安田が“業界でノシ上がってやる”などの野心もないのに、“売れないホストをやっているのはなぜだろう?”とずっと疑問に思っていました。でも、いまから振り返ると“ツケ入る隙のあるターゲットを物色するためだったのでは……”との考えが頭から離れません。私にも脇の甘いところがあったのは自覚していますが、それでも安田の卑劣な手口には怒りしか覚えないのです」(多田さん)

 安田側の弁護士に事実確認を求めると、「守秘義務」を理由に詳細な回答は控えたが、8月の逮捕と9月の処分保留、和解申し入れの事実などは認めた上で、

「(トラブルの)原因や問題の所在についてオーソライズされた(正当と認められた)ものはないというのが現状だ」

 との認識を示した。今後の捜査によって「真相」が明らかになる日は来るか。

デイリー新潮編集部

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