「金庫のカネが偽札にスリ替えられ…」 新宿「3000万円盗難事件」被害女性が明かす、捜査線に浮上「歌舞伎町ホスト」との奇妙な“同居生活”

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 昨年、多額の売掛(ツケ払い)などに端を発したトラブルが次々と表面化し、警察庁長官が「徹底的に取り締まる」と号令をかけ“摘発攻勢”が始まった「悪質ホスト」問題。最近は関連ニュースも減少したかに見えるが、いまも水面下でホストをめぐるトラブルは頻発しているという。都内在住の女性経営者が告発する「3000万円窃盗」事件もそんなケースの一つとされるが、警察の捜査は“難航”を続けているとか。その一筋縄ではいかない理由とは。

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 今年8月29日、東京・歌舞伎町を中心とした主要ホストクラブ164店舗が参加し、「売掛金の廃止」や「20歳未満の新規入店禁止」などを謳い、新団体を設立。業界の健全化に向け、取り組みを加速化させることを表明した。

 その最中の8月下旬、都内の大学に通う安田宏(仮名)が窃盗容疑で警視庁新宿署に逮捕された。安田は歌舞伎町の有名ホストクラブXに在籍していた元ホストで、知人女性の金庫から「3100万円」を盗んだ疑いだった。

 事件の被害者である多田仁美さん(仮名=30代)が経緯をこう説明する。

「今年4月、私の自宅マンションにあった金庫内の現金約3000万円が偽札にスリ替えられていたことに気づいたのが発端でした。私は食品関連の会社を経営していて、急な出費にも対応できるよう当時、一時的に4000万円を自宅の金庫に保管していました。うち2000万円を銀行に預けようと思って金庫内を確認したところ、現金3100万円がなくなっていた代わりに、大量の偽札が入っているのを目にしたのです」

 その直前の4月中旬、多田さんに対するストーカー行為や自宅への不法侵入の疑いで新宿署に逮捕されたのが、前出の安田だったという。

「ご飯に行きませんか?」

 多田さんが続ける。

「私と安田が初めて会ったのは2022年の7月頃でした。知り合いから『一緒に付き合って』と頼まれ、ついて行ったホストクラブXに安田がいたのです。ただ、その時は大勢のホストが入れ替わり立ち替わり席につき、安田のことは記憶に一切なかった。ところが翌日、その安田から『ご飯に行きませんか?』と電話がかかってきたのでビックリしました」

 各ホストと名刺交換をした記憶はあったため、“営業かな?”と、そこまで不審に思うことはなかったという。

「本当は食事の誘いは断るつもりでしたが、安田が『自分が払うので』などと食い下がったため、仕方なく私の指定する値段が手ごろなレストランで会うことにしました。この時、安田は都内の大学に通っていて、Xで働き始めてからまだ日が浅いことなどを教えてくれた。顔は全然タイプじゃありませんでしたが、礼儀正しく言葉遣いも丁寧だったことから、この時、好印象を持ったのは事実です」(多田さん)

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