ヤクルト高津臣吾監督(55)単年で契約延長の球団事情 青木監督までの“つなぎ”と言い切れない「対抗馬」の存在

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待ったなしの監督人事

 プロ野球ヤクルトは9月24日、今季が2年契約の最終年の高津臣吾監督(55)と来季の1年契約を交わすことで合意に達したと発表した。2年連続のBクラスが確定し、注目されていた指揮官の去就問題は決着をみたのだが……。

 さる球団関係者は、これで来季は本格的な監督人事が「待ったなし」となったことを強調する。

「今のチームは投手力が課題で、一朝一夕には改善されません。来季も苦戦することでしょう。高津監督は優勝か、それに準ずる成績を残さない限り、来季限りでの退任が既定路線と言えます。新監督の候補がリストアップされた今季と同様、来年はシーズンと並行して新監督を選定することになるかもしれません」

 高津監督は今季で就任5年目を迎えた。2021、22年と2年連続でセ・リーグ優勝に導いたが、昨季は5位に低迷し、今季は就任1年目の20年以来となる最下位の危機に瀕している。

 衣笠剛球団会長兼オーナー代行(75)は6月19日に開かれたヤクルト本社の株主総会の際に、当時5位だったチームで指揮を執る高津監督の来季契約について歯切れの悪いコメントに終始した。「まだ(シーズン)途中ですし、私の考えもありますが、編成部門のいろいろな担当と話して決めていきたい」と白紙であると語るにとどめた。

 そこから3ヵ月あまり、チームは順位を一つ落とし、最下位に沈む中で続投が決まった。高津監督は「この成績にもかかわらず要請をいただいたことに感謝しております。チームを再建するのは簡単な事ではありませんが、身を削る思いで努力します」と球団を通じ、殊勝にコメントするしかなかった。

 ヤクルトで監督6年目に突入した例は稀だ。球団史上最長の在任期間は1990~98年の名将・野村克也監督の9年、若松勉監督が1999~05年の7年で続き、高津監督は球団史上3番目の長さとなる。

「補強費が潤沢ではなく、選手層が薄い中でノムさん(野村監督)以外には達成できなかった2連覇を果たしたことは、衣笠会長も評価するように特筆すべき手腕だと思います。本人が意欲を失っていないだけに、確かにもう少しチャンスがあってもいい実績ではあります」

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