大相撲「6場所連続全休」で“転落”を味わった「炎鵬」 哀愁ただよう浴衣に雪駄姿

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 西序二段31枚目。かつての人気力士・炎鵬(29)の現在の番付である。小さい体で巨体力士を土俵に転がし、その名を轟かせたのは5年ほど前。当時は、関取の象徴である大銀杏(おおいちょう)を結い、化粧回しを締めて、常にファンに囲まれていた。それが番付最下段の西序ノ口13枚目まで転落したのは、2023年に脊髄損傷の大けがをして6場所続けて全休したため。復帰した今年7月場所で6勝1敗の好成績を上げ、序二段まで番付を上げたばかりだ。

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 9月14日、秋場所7日目の取組を終えて国技館を出ていく炎鵬は、どことなく寂しそうだ。時刻は11時半。上位力士はまだ到着すらしていないので、出待ちするファンの数も少ない中、付け人なしで、自分で荷物を持って部屋に戻っていかなければならないのである。

 浴衣姿に素足で雪駄という格好も、彼にとっては屈辱かもしれない。大相撲では今なお地位によって服装、履物などが細かく規定されており、羽織を着られるのは三段目から。序二段力士は冬になっても羽織やコートすら禁じられているため、この浴衣姿がスタンダードということになる。

 また足袋を履けるのは幕下以上、履物に関しては序二段以下の力士は下駄というルールも。その観点から言えば、実は雪駄自体、三段目以上に許された履物ではある。
 
 とはいえ、今場所は6勝1敗と好成績を残した。来場所でのさらなる躍進を期待するファンは多い。「出待ち」に囲まれる日も遠くないかもしれない。

撮影・本田武士

週刊新潮 2024年9月26日号掲載

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