「小泉進次郎氏」優勢を揺るがす“波乱”の要素とは 元議員秘書が明かす「総裁選」ウラ事情…「自民党が大変なのは進次郎総理の誕生後かもしれません」

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票読みがしにくい総裁選

 9月30日に任期満了を迎える岸田文雄氏の後任を選ぶ自民党総裁選挙が9月12日に告示され、27日の投開票に向け、立候補者による訴えが連日にわたり続けられている。次期の内閣総理大臣の選出や、年内に行われると予測される衆議院の解散選挙に向けて、かつて豊田真由子元衆院議員の秘書を務めた人物が取材に応じ、自民党総裁選の見どころを語った。

 立候補するためには、国会議員20人の推薦が必要という現制度が導入された1972年以来、過去最多の9名が名を連ねた自民党の総裁選挙だが、昨年末に明らかになった政治資金パーティーをめぐる裏金事件を受けての各派閥の解散などの影響により、「これまでよりも票読みがしにくい状況にある」と元秘書は指摘するが、まずは改めて、各候補者の出身派閥を整理しておこう。

【総裁選出馬リスト】(現在は麻生派以外の派閥は解散している)
小林鷹之 経済安全保障担当内閣府特命担当大臣 (二階派)
高市早苗 経済安全保障担当大臣(安倍派※→無派閥)
(※)2011年(平成23年)に、総裁選で安倍晋三を支援する目的で清和政策研究会(当時の森喜朗派)を離脱し、無派閥となった。
林芳正 官房長官(岸田派) 
小泉進次郎 元環境大臣(無派閥)
上川陽子 外務大臣 (岸田派)
加藤勝信 元官房長官(無派閥)
河野太郎 デジタル大臣(麻生派)
石破茂 元幹事長 (旧石破グループ)
茂木敏充 幹事長 (茂木派)

顕著な傾向

 同氏は「これまでと同様に解体された派閥がまとまって一人の候補を推す動きが見られる一方で、個人の関係性によって投票先を決めている議員もいる。派閥ごとに候補者を1本化できていた従来よりも票の取りまとめが難しく、勝敗の行方が読みにくいことが今回の総裁選における特徴だと思います」と言及するが、唯一派閥としての活動を続けている麻生派(志公会)にも、変化の兆候は見られるという。

「麻生派以外の派閥は解散しましたが、派閥の領袖を務める麻生太郎氏も事実上の自由投票のスタンスを取っており、麻生派に属する全員が河野太郎氏に票を投じることはないと見られています。派閥に頼れない状況に置かれた候補者が票を伸ばすためには、これまでに築いてきた関係性や活動の成果がこれまで以上に問われることになりそうです」

 自民党の総裁選挙は、満18歳以上の国民に与えられる国政選挙などとは異なり、368の国会議員票と同数ある全国の党員票を合わせた736票によって争われる。

 連日の報道によると、競り合う小泉進次郎氏と石破茂氏を高市早苗氏が追う展開にあるというが、3者の支持層は大きく異なる。候補者が乱立する中で顕著な傾向が見られるのが、過去4度総裁選に出馬したものの、いずれも敗れている石破茂氏だ。

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