低迷続く中日はあまりに“コスパ”が悪かった…高額年俸選手が機能せず、今季は「12億円」がドブに消えた!?

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落合博満GM時代のコストカットの反動も?

 ただ、外国人選手やFA権を取得した選手との交渉は難しい部分があるという。他球団の編成担当者はこう話す。

「実際に契約が発表されるのはオフですが、外国人選手やFA権のある選手についてはシーズン中から下交渉を行っているケースが多いです。そういう選手の大半は代理人がついていて、当然彼らとすれば選手の報酬が自分の報酬に繋がってきますから、何とかして良い契約を結ぼうとする。メジャーほどではないにしても、そういう時代になってきている。日本ではまだ“義理人情”を重んじる文化もありますし、あまりにドライに選手を放出することで関係者やファンからの反感を買うこともある。そのあたりのバランスは本当に難しいです」

 中日は落合博満GM時代に大幅なコストカットを断行したが、それに対する批判も多かった。その時の反動もありそうだが、今度は無駄な支出が増えてしまっている。限られた予算をどのように有効活用するのか。その舵取りを担う部門が強い中日復活のカギを握っている。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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