低迷続く中日はあまりに“コスパ”が悪かった…高額年俸選手が機能せず、今季は「12億円」がドブに消えた!?

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問題は、“資金のかけ方”?

 ただ、改めて近年の中日の補強を見てみると、FA補強は2017年オフの大野奨太のみだが、決して資金を投入していないわけではない。問題は、“資金のかけ方”にあるのではないだろうか。

 今季の推定年俸は、1億円以上は10人、2億円以上は5人となる。この中で、チームの主力で申し分ない働きを見せているのは、抑えのマルティネス(推定年俸2億円)だけ。それ以外の2億円以上の選手の成績をまとめると、以下のようになっている。

ビシエド(3億5000万円):15試合9安打1本塁打2打点 打率.209
大野雄大(3億円):9試合2勝6敗0セーブ0ホールド 防御率4.87
中田翔(3億円):62試合46安打4本塁打21打点 打率.217
大島洋平(2億5000万円):75試合23安打0本塁打 5打点 打率.198
(年俸は推定。成績は9月19日終了時点)

 4人で総額12億円。他の球団を見ても、高額年俸の選手が機能していない例は散見されるが、ここまで揃って低迷している球団は中日だけである。中田を除く3人は、長くチームに貢献してきた功労者で、大野は一昨年、大島は昨年まで主力で活躍していたこともあって、致し方ない部分はあるとはいえ、高額年俸の複数年契約を結んでおり、コスト分の働きを見せたとは言い難い。

 一方、中田は来季まで契約が残っている。このままいけば、チーム最高年俸となる可能性が高い。鮮やかな復活を遂げる可能性はゼロではないが、今季のプレーと年齢を考えると、その可能性は低いと見るのが妥当ではないだろうか。

二軍に高年俸選手が“溜まっている”状態

 このような高額年俸のベテラン選手が多いことはチーム全体にも悪い影響を与えることがあるという。前出の球団関係者は、以下のように指摘する。

「年俸が高い選手は、当然、主力として期待されているわけですから、そういう選手が二軍にいると、優先的に実戦で調整の場を与えられることになります。そうなると、当然、若手選手にしわ寄せが来て、試合に出られなくなる。昨年はアキーノ、今年はビシエドが二軍でかなりの打席に立っています。もちろん、実績のある選手の野球への取り組みなど、若手にとって一緒にプレーすることでプラスもあります。ですが、二軍は育成の場ですから、高年俸の選手が多いのは健全ではないですよね」

 このような状態は今年だけではなく、低迷期で度々起こってきた。外国人選手では、元メジャーリーガーのジー(2018年来日・推定年俸1億2000万円)、アキーノ(2023年来日・推定年俸1億6800万円)を獲得したが、いずれも結果を残せずに1年で退団した。2018年に来日して、1年目はそれなりの結果を残したアルモンテも、年俸が上がった2年目以降は大きく成績を落としている。今年、来日2年目のメヒアとフェリスも推定年俸1億円ということを考えると、十分な働きとは言えないだろう。

 また、外国人以外も気になる点が目立つ。2017年オフにFAとなった大野奨太と3年契約を結んだが、怪我もあって期待通りの活躍ができなかった。また2016年オフにFA権を取得した平田良介とは、5年という長期契約を結んだものの、規定打席に到達したのは2018年のみだった。こうして見ると、“費用対効果”の悪さが目に付く。

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