「実はがん治療を始めてから5キロ太ったんですよ(笑)」 乳がん公表「梅宮アンナ」が気づかされた、闘病生活を左右する“最も大事なこと”

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「レッドデビル」と呼ばれる抗がん剤

 さて、外科手術に先立って、私は7月31日から抗がん剤を用いた術前化学療法をスタートさせました。具体的には「AC療法」と呼ばれる治療法です。AC療法では「アドリアマイシン」と「シクロフォスファミド」という2種類の抗がん剤を使い、2つの薬名の頭文字をとってAC療法と呼びます。私の場合は2週に1度の投与を4回続けることになり、先日ちょうど4回目がおわったところです。今後は、効果を見極めながら、「パクリタキセル」という別の薬の投与へと進む予定になっています。

 私が感じたのは、いまのがん医療は、本当に患者のことを考え、なるべく痛みを軽減し、つらい治療に立ち向かう気持ちを支えるために進化してきたんだな、ということです。

 たとえば、いま私の鎖骨の下の辺りには「CVポート」という、100円玉ほどの大きさの医療器具が埋め込まれています。このCVポートはカテーテルで静脈と繋がっている。そして、ポートの中心部分はシリコン製になっていて、ここに専用の針を刺すことで点滴が容易にできるんです。薬を投与するたびに注射針を腕に刺すのは苦痛ですし、抗がん剤のように強いクスリの場合、注射針をうまく刺せないと痛みや炎症を起こすこともあります。その意味で、CVポートは本当に患者のことを考えた医療機器だと思いましたね。

 抗がん剤を投与する時にはいくつか手順を踏むんですね。まずは30分かけて吐き気止めの薬を投与します。その次が、抗がん剤の「アドリアマイシン」。その真っ赤な色からアメリカでは「レッドデビル」と呼ばれているとか……。実際にかなり“強い”薬で、病院のスタッフによれば、液漏れを起こすと皮膚の細胞が死んで、移植が必要になることもあるそうです。私の場合はCVポートに点滴針を繋ぐだけで済みますが、腕に針を刺す場合は、液漏れリスクが高いので身動きできないような状態になります。腕が自由になるだけでもCVポートには感謝ですね。

ウィッグとつけまつ毛

 その後に、もうひとつの抗がん剤「シクロホスファミド」、最後に生理食塩水を投与して1セットおよそ1時間半の治療が終了となります。正直なところ、当初は「1時間半も点滴に費やすのは大変だな」と感じたのですが、周りで抗がん剤治療を受けている方のなかには1回6時間とか、長い人では9時間に及ぶケースも……。内臓にがんが見つかるとどうしても時間が長くなるようです。

 一方、がん治療と聞いて、私がずっと病院に入院していると勘違いする人も少なくありません。実際は、こうした治療を受けるために自宅から通院しているんですけどね。抗がん剤の進化で副作用が軽減され、これまで通り自宅で生活を送れますし、効果的な吐き気止めのおかげで投薬の後にテレビ出演することもできました。がん患者の生活というのも自分が罹患しなければ想像できなかったことですね。

 もちろん、髪の毛が抜けたり、筋肉に痛みやしびれを覚えたりといった抗がん剤の副作用は私にもあります。治療の次のステップである「パクリタキセル」は、より副作用が強いみたいで不安もあります。それこそまつ毛も抜けてしまうのだとか……。でも、私はなるべく自分の生活を変えないようにしたいと考えています。

「がん闘病中にファッションのことなんて……」というご意見もあるかと思いますが、髪の毛が抜けたら自分好みのウィッグを被りたいし、まつ毛が抜けることを覚悟して“つけまつ毛”のサンプルを取り寄せたばかり。常に体調不良で、気が滅入ることもしょっちゅうなので、そういったことに楽しみを見出すのはプラスだと思うんです。

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