「実はがん治療を始めてから5キロ太ったんですよ(笑)」 乳がん公表「梅宮アンナ」が気づかされた、闘病生活を左右する“最も大事なこと”

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“防災”と同じで“備え”が肝心

〈タレントの梅宮アンナ(52)の告白が大きな反響を呼んでいる。彼女は自身のSNSを通じて、右乳房に「浸潤性小葉がん」が見つかったことを公表。現在、「ステージ3A」で、右腋窩リンパ節への転移が確認されているという。高額な治療法ではなく、あくまでも標準治療を選択した彼女が、“がんとの闘い”で気づかされたこと、また、闘病生活のなかで心掛けていることを打ち明けてくれた〉

 標準治療の「標準」という言葉を聞くと、「普通の」とか「平均的な」といった印象を抱くと思います。しかし、“一般的ながん”など存在しません。患者それぞれの体質や持病によってがんの持つ性質は異なり、痛みの感じ方や薬の副作用も大きく違ってきます。もちろん、標準治療で期待したような結果が得られない患者もいるでしょう。そこで高額な費用が掛かる治療法や民間療法に救いを求めてしまう気持ちは、がん患者となった私にはよく理解できます。

 ただ、それでも私は標準治療を選びました。理由は「科学的根拠に基づいて、現在最も治療効果と安全性が認められた治療法」だからです。もちろん、この治療法が誰にとっても最善だとは言いません。ただ、苦しい闘病生活を乗り切るためには「自分が納得できる治療法を選ぶこと」が何より大切だと思います。

 では、ここから実際に私が受けている治療を紹介させてください。専門的な用語や耳慣れない薬品名も登場しますが、そこはご勘弁を。いまはまだ「がんは他人事」「自分はがんにならない」と考えている人にこそ、標準治療の実態を知ってほしいんです。

 がんは突然やってきて、それまでの生活をガラッと一変させてしまいます。その意味で災害に近い存在かもしれません。もしもの時にパニックにならないよう知識を蓄えておくことは、“防災”と同じ効果があると思います。私が他の方々と少しだけ違うのは“がん家系”ということもあって、これまでパパ(梅宮辰夫氏)をはじめ、親族のがん闘病を間近に見てきたんですね。もちろん、がんになって気が滅入ることはありますけど、自分が宣告されたときはどこかで覚悟ができていました。やはり心に“備え”があることは重要だと感じます。

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