妻で満たせない「特別な欲望」は年下の女性と…「浮気ではない」と言い張る44歳夫の選択と代償

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理想の相手、桜子さん

 理想の相手は3歳年下の桜子さんで、彼女は若いころから自分の性癖を自覚していたため、ずっと独身なのだという。プレイの相手とは敬意をもって接する誠実な女性だと晴也さんは絶賛する。

「本気でないと向き合えないから、彼女と会うのは月に1度くらいです。そのときは休みをとってホテルにこもり、朝から夜までプレイをし続ける。彼女とはいわゆる通常のセックスはしません。いろいろなプレイをしますが、僕らにとっての理想的コースもあるんです」

 恋ではないが愛はある。晴也さんはそう言った。

 桜子さんが独身のため、プレイに使う道具は桜子さんの部屋に置いてある。プレイの日は、晴也さんが彼女の部屋に行って道具をもってホテルへと赴く。桜子さんの部屋でそういうプレイに及んだことはない。あくまでも非日常、別世界へ行くのが目的だから、日常生活が営まれている場所ではできないのだという。

「月に1度でも、そういうことがあるとまた1ヶ月がんばれるんですよ。生きるために必要な行為だし、それによって僕は生きていると思える」

もちろん、妻は疑い始め…

 だが、妻は急に生き生きしはじめた夫を不審に思ったようだ。知らない間に探偵をつけられていた。浮気をしているんでしょと責められて、彼は「浮気ではない」と言い張った。桜子さんとともにホテルへ入っていく写真をつきつけられ、「違うんだ」とプレイのことを話した。

「つい力が入ってSMの説明をしてしまったんですが、聞いていた妻は、カッと目を見開いて『変態!』って。いや、魂なんだよとわけのわからないことを口走って、よけいに妻に軽蔑の目で見られました。いやだいやだ、そんな変態が夫だなんて、と妻は何度も叫んでいた。そういえばあなたのお義父さんもお義母さんも少し変だものって」

 そのとき初めて、彼は妻が「親子の秘密」まで知っていることを悟った。妻は結婚前に、晴也さんの兄からすべてを聞いていたのだという。

「そういう人だからこそ人の痛みがわかると期待していた。だけどあなたはそもそも夫婦の愛情確認としてのスキンシップも嫌がっているみたいだし、どこか普通じゃないと思ってた。SMプレイをするのがいちばん楽しいなら、どうして結婚なんかしたのよと追いつめてくる。確かにそうなんだけど、僕はきみを愛しているし、家族として何より大事なのはきみと娘だと言うと、そんなふうにごまかさないでよと怒られました。何を言っても生理的に受け入れられないんでしょう」

 本当なら妻と一緒に楽しみたかった。でもそれさえ言い出せなかったと彼は言う。

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