高市氏と石破氏の運命を握る「最後まで投票先を明かさない議員」の行動基準は

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まれに見る激戦

 27日投開票の自民党総裁選はかつてない混戦ぶりを見せている。小泉進次郎元環境相、石破茂元自民党幹事長、そして高市早苗経済安保相の三つ巴の様相を呈しており、投開票日までそのままもつれながらなだれ混む気配のようだが、決め手はどのあたりにあるのだろうか。

「現時点で、小泉、石破、高市の各氏のいずれもが決選投票に残る可能性があり、その状況が投開票日までおそらくわからないだろうという状況にあります。まれに見る激戦です」

 と、政治部デスク。当初は小泉、石破の両氏が抜け出すと見られていたが、総裁選が告示されるとそこに高市氏が割って入る格好となっている。

「世論調査の結果をざっと分析すると、小泉氏が打ち出した解雇規制の見直しや選択的夫婦別姓を導入する法案提出などが批判の矢面に立たされ、失われた票が石破氏と高市氏に流れている可能性がありそうですね」(同)

態度を表明していない議員は

 それでも小泉氏は議員票をすでに70票以上を固めたとされる。推薦人が国会議員へのアプローチを丁寧に続けているようだ。

「かなりしつこく、しぶとく総裁選を展開している印象です。そうこうしているうちに、高市氏に関してもリーフレット問題が持ち上がってきました。自民党は裏金問題で東京地検特捜部の捜査を受けたことなどを踏まえてカネのかからない総裁選を掲げ、パンフレットの個別郵送を禁じています。が、高市氏は政策リーフレットを全国の党員に郵送していたことがわかり、各陣営から批判されていました。これ自体、高市氏を狙い撃ちした謀略だという見方もありますし、最終的に大きな処分が下ることはないようですが、高市氏の勢いをそいでいることは間違いありません」(同)

 高市氏と石破氏の弱みは国会議員票だ。

「いずれも押さえた票は368票中30程度とされ、小泉氏とは40程度の開きがありますね。態度を表明していない議員は20%ほどいて、当選回数など各々の事情もありますが、基本的には好き嫌いで決めることにしている議員と、ポストなどで何らかの処遇をしてほしいというリクエストをしている議員とがいるようです」(同)

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