「阿部定」はどこへ消えた…66歳の時「ショセン私は駄目な女」の書置きを残し失踪、住民票は削除、死亡届なしの謎を追う
大島渚監督の『愛のコリーダ』(1976年)では松田英子が、大林宣彦監督の『SADA~戯作・阿部定の生涯』では黒木瞳が演じた阿部定。1936(昭和11)年5月に東京の待合で愛人を殺害し、その遺体の局部を持ち去った女性である。現在も世間の関心は尽きず、今年2月には題材にしたフィクション小説「二人キリ」(村山由佳著、集英社)が上梓された。
阿部定はそもそも逮捕時から衆目を集めていた。出所後は一時偽名で生活していたものの、娯楽雑誌を相手取った名誉棄損訴訟で再び“表舞台”に。...