「血尿が出るまでやらないと、体は変わりません」 ミュンヘン五輪平泳ぎで金メダル「田口信教」の“科学的な根性論”(小林信也)

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 田口信教(のぶたか)は広島・尾道高2年の時、1968年メキシコ五輪代表選考会(水泳男子100メートル平泳ぎ)で4位に入った。通常なら1位と2位が代表になるところ、「将来性のある若い選手を連れて行こう」との方針で田口が選ばれた。

 17歳の田口は期待に応え、メキシコ五輪準決勝で1分7秒1の世界新記録を出した。ところが、場内に非情なアナウンスが流れた。

「ノブタカ・タグチは泳法違反により失格」

 研究熱心な田口は、より速く脚を動かせないかと考え、キック後、空中に上げて引き戻す方法を採った。...

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