子どもを産めなくなり、ハゲになり、デブになり…それでも原千晶を支えた最愛の夫からの言葉
友達「なんて素敵」
ただ、友達にその話をしたら、「なんて素敵なんだ」と言われました。思えば、私は治療中、ハゲになり、デブになり、機嫌も悪くなって当たり散らす、というような大変な時期もあったんです。その時も、主人は顔色一つ変えず接してくれました。友達からは「すごいことだよ」と言われて、ハッと気づいたんですよね。あー、素晴らしい人と一緒になったんだなと。
子どもができないことを消化するのは、時間がかかりましたね。やっぱり、最初はすごくつらかったです。感覚としては、私が子宮を失った2010年くらいから、芸能界では“ママ友ムーブ”がきたんです。
自分としては、子宮を失ってしまったけれども、これから仕事を頑張ればいいやと思っていたので、なんか逆風が吹き始めているなと思ったんです。タレントさんが赤ちゃんを産んで、それをブログでアップして、子育ての様子を伝えていました。決してそれを否定しているわけではありません。ただ、このままでは仕事まで失ってしまうのか……と落ち込んだのを覚えています。
この時は、寝ても覚めても、本やネットで「子どものいない人生」とか、調べてたりしていましたね。
ただ、同じ子どもがいない友達が「私も一時期悩んだ」と声をかけてくれました。その友達はお母さんの介護をしていて、「私にとって、今、母が私の娘みたいな存在。私を産んで育ててくれたお母さんが、今度私の娘になってくれて、私に母親業のようなことをやらせてくれていると思っているんだ」と言ってきたんです。
そして、「人間って、生きていると必ず何か失って、ぽっかり穴が開くことがあるけど、絶対何か他のもので、その穴って埋まるようにできているんだよね。千晶ちゃんは、今、穴が開いていると思うけど、その穴はきっと埋まるよ」と励ましてくれました。
その時は、すごく元気をもらって、気持ちが楽になったんです。でも、しばらくしたら、街でベビーカーを押すお母さんと赤ちゃんを見たら、ギューって、胸が苦しくなったりしました。
情報番組に出ていると、出産のニュースがあった時には、「おめでとうございます」と笑顔で言わなければいけません。もちろん、祝福はしているんですが、ちょっと悲しいとか思ったりしたことも一時はありました。
[2/3ページ]