5年連続トップ!さいたま市の英語力 伝説の教育長が説く、子どもに「世界基準の英語力」を身につけさせる具体的方法

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 中学3年生の英検3級取得率が、全国の都道府県と政令指定都市のなかで、5年連続1位のさいたま市。その立役者が市の前教育長、細田眞由美氏だ。文科省が小学校で英語を導入する前から、市独自の教科「グローバル・スタディ」を導入し、児童生徒の英語力を上げてきた。細田氏は「世界基準の英語力は、どんな家庭でも身につけられます」と断言する。【小山美香/教育ライター】

「世界基準の英語力」とは何か

「市立高校の生徒たちをシリコンバレーに引率したとき、生徒が、『世界中の英語が溢れている』と言ったのです。まさにその通りです。かつて私たちの世代は、イギリス英語やアメリカ英語を真似ようと奮闘してきました。しかし、今は『World Englishes』の時代です。シリコンバレーでは、アメリカ人の話す英語だけでなく、インド人が話す英語、中国人が話す英語など、さまざまな英語が溢れています。だから、Englishesと複数形なのです」

 と細田氏は話す。曰く、イノベーションが起こる場で必要とされるのは、「言語、文化、生活様式、政治や宗教も多様な80億の世界の人々と、互いを理解し合う力、世界の課題解決に向けて対話できる力」。ゆえに、単なる語学学習ではなく、異文化を理解し、グローバル社会を生き抜く力を育成する教科として、「グローバル・スタディ」(以下、GS)と名付けたという。

全国1位のさいたま市の英語教育は何が違うのか

 細田氏はGSについて「小中学校の9年間を子どもの発達段階に合わせた4・3・2制に分けたカリキュラムになっています」と説明する。総合的な学習の時間もGSにあて、授業時間を多く確保しているのも特徴だ。

 小1から小4までの第I期は、抽象的思考はまだ難しい段階。小1・2時には、歌や踊り、ゲームを取り入れ、まず英語に慣れ親しみ、好きになってもらう。小3・4になると、自己紹介を含むあいさつや、買い物など日常生活の会話を中心とした活動をし、アルファベットに慣れ親しむ。さらに外国の年中行事などを取り入れて、異国の文化や生活と出会うことで、国際理解の基礎を培う。

 小5から中1までの第II期は、第I期に育んだコミュニケーションの意欲を土台として、自分の住む地域の理解を深め、その伝統や文化を表現する活動をする。さらに読むことや書くことといった文字の学習をして、さいたま市を訪れた外国人を案内するなど、協働的な活動も行う。

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