今季限りでクビか、大幅減俸か? 「危ない大物選手」5人の“実名”

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 9月も半ばを過ぎ、徐々に来季の話題が増えてきたプロ野球界。既に今季限りでの引退を発表した選手が出てきているが、それ以外にも去就が気になる選手は少なくない。実績がある選手でも結果を残せなければ、年齢や高額な年俸がネックとなり、容赦なく自由契約となるのがプロの世界。先日、通算1012安打、139本塁打を誇る中日・ビシエドが退団濃厚と報じられ、ネットで大きな話題になったが、他にも残留が厳しい状況となっている“大物選手”は存在する。【西尾典文/野球ライター】

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高額な年棒に報いることができていない

 真っ先に名前が挙がるのが、巨人・梶谷隆幸だ。2020年オフにDeNAからFA移籍。4年契約総額8億円(推定)とされる大型契約を結び、外野のレギュラーを担うことが期待されたものの、故障が続いて、一昨年オフには育成契約となった。

 昨年3月に支配下選手に復帰し、102試合に出場、73安打を放ったものの、今年も膝の故障に泣かされて、わずか6試合の出場。全く一軍の戦力になっていない。

 巨人の外野陣は競争が厳しい。ベテランの丸佳浩やヘルナンデス、モンテス(内野手登録だが、外野でも出場)、ルーキーの佐々木俊輔、高卒2年目の浅野翔吾、大卒2年目の萩尾匡也がポジションを争う。梶谷が入り込む隙はなく、“余剰戦力”と判断される可能性が高い。

 広島では、かつてのエース、野村祐輔が苦しい立場に追い込まれている。2011年のドラフト1位で明治大から入団。1年目に新人王を獲得した。2016年には16勝3敗と抜群の成績で最多勝とベストナインに輝いた。

 しかし、それ以降は年々成績が悪化し、プロ10年目の2021年には0勝に終わった。昨年は6試合で1勝1敗ながら、防御率は1.16と復活の兆しを見せたかに思えたが、今年はここまで2試合の登板で0勝と、プロ入り後、最低の成績に終わりそうだ。

 野村は、大きな故障を抱えているわけではなく、二軍戦で登板を重ねている。しかしながら、チームは先発候補の若手投手が顔を揃えている。タイプや年齢を考えても、ここからリリーフへの転向は考えにくい。2016年から2018年のセ・リーグ三連覇を達成した功労者で、球団が簡単に見切ることは内との見方もある。だが、過去4年でわずか3勝という成績を考慮すると、そろそろ潮時なのかもしれない。

苦しむベテラン選手たち

 一方、パ・リーグで危ない大物選手は、ロッテ・美馬学である。楽天に入団後、長く先発として活躍し、2019年オフにFAでロッテに移籍した。2020年、2022年には10勝をマークし、チームの先発投手陣を支えた。

 しかしながら、昨年は移籍後、最低成績となる3勝に終わると、今年はここまで3試合に登板して、0勝2敗、防御率7.43という成績だ。前出の野村と同様で、大きな故障はなく、二軍ではチームトップのイニング数を投げている。これはプラス材料だが、今年は2年契約の最終年。推定1億4000万円と高額年俸が気になる。ロッテは、ベテラン選手を簡単に自由契約にしないケースが多く、残留の可能性も十分にあるとはいえ、大幅な年俸ダウンは避けられない。ロッテ球団と美馬本人がどんな決断を下すのか、注目が集まる。

 いきなり自由契約にはならないだろうが、厳しいオフを迎えそうな大物選手は、楽天・島内宏明である。2021年は打点王、2022年には最多安打に輝いた好打者だったが、昨年は76安打、打率.236と低迷した。

 今年もここまで40試合、28安打、打率.214と寂しい成績だ。2022年オフには、4年契約中にもかかわらず、契約更改の場で翌年FAとなることを要望して物議を醸した。それから成績が下降しているので、球団サイドの印象はいいとは言えない。生え抜きの功労者だけに、簡単にクビを切られないと予想されるが、大幅減俸は必至だろう。

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