【追悼・宇能鴻一郎氏】担当編集者が解き明かす「謎の官能作家」をめぐる3つの伝説

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 作家・宇能鴻一郎さんが亡くなった(享年90)。1962年、『鯨神』で芥川賞を受賞、純文学作家として活躍していたが、ある時期から官能小説に“転向”。次々と人気作を発表し、大ベストセラー作家となった。多くは日活で映画化され、不況に陥った日本映画界の救世主的存在でもあった。

「宇能さんは、川上宗薫、富島健夫とともに、“官能小説御三家”などと呼ばれました。しかし、ほかの2人と比べて、様々な伝説に彩られた、ある意味で“謎の作家”でもありました」

 と語るのは、かつて川上宗薫さんなどの娯楽小説を担当してきた、新潮社のあるOB編集者である。...

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