進次郎は「中身がないイケメン」高市早苗は「関西なまりで庶民的」…テレビ局ADたちが見た「総裁選」舞台裏

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 自民党総裁選挙がスタートした。候補者9人は揃って記者会見、討論会、街頭演説と様々な場所に出向いている。自民党は中でもテレビ出演に力を入れており、候補者を生放送に連日出演させている。この「総裁選テレビ祭り」を陰で支えているのはテレビ局の中で最もキツイと言われる仕事、アシスタント・ディレクター、いわゆる「AD」たちだ。生放送の舞台裏で走り回り編集のサポートをしたり、オンエアではカンペを出したりする。放送の前後ではゲストの車の手配からお茶出しまであらゆる裏方の業務を担う。放送前日には準備のため徹夜となることも珍しくはない。ごく一部の局員ADを除いて、ADの大半は制作会社に所属している。今回の総裁選に関し候補者の局入りから送りまで間近な距離で見てきた番組ADたちに、この狂乱の舞台裏を聞いてみた。

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「進次郎は立っても、座ってもイケメン!」だが…

 今回の「テレビジャック」で一転、窮地に追い込まれたのは小泉進次郎元環境相に違いない。テレビでの露出はもちろんナンバーワンだが、支持は高まっているどころか下がるケースも。日本テレビのニュース番組に生出演した際に公表された「自民党員・党友を対象にした調査」では石破茂元幹事長のみならず、高市早苗経済安保相に続く想定外の3位の支持率になっていた。なぜなのか、その理由はADたちの言葉に表れていた。

 あるテレビ局の女性ADは小泉元環境相を見た瞬間ときめいたと話す。

「40代なので実物はおじさんだろうなと思っていたら、画面で見るよりもはるかにかっこよくて爽やかでびっくり。もう立っていても、座っていても、歩いていてもイケメン過ぎて」

 しかし放送が始まると、

「スタジオの隅で聞こえてくる言葉は、なんかポイントがずれているし、中身が無いのが私にもわかってしまって。スタジオを出るときにはすっかり冷めていた」

 様々な文化人や政治家の言葉に日常的に触れているADに、発言の軽さをすぐに見抜かれてしまったのだ。画面越しの自民党員や国民にも同様な印象を与えてきたのだろう。他の候補者たちは何を聞かれても自分の実績や強みにつなげてアピールしている中で、小泉元環境相の言葉は、まるで受けを狙っているタレントのように上滑りして聞こえる。貪欲に国民の信を得ようとする姿勢が伝わってこないのだ。

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