「職業は?」「え~っとね。なんだっけ……ハハハ」「マンガ家? そうか~、嬉しいなぁ」 蛭子能収さん「リアルな認知症トーク」で“本気のボケ”連発

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 9月8日に千葉市内の商業施設で開かれた認知症理解の普及啓発イベントに、蛭子能収(よしかず)さん(76)が登場。厚労省の推計によると、全国の認知症高齢者数は、2025年には約471万人に、40年には約584万人に増えるとされており、蛭子さん自身も4年前に認知症であることを公表している。

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 蛭子さんはマネージャーに支えられながら登場。蛭子さんの講演というフレコミだが、実際のところは……。

 以下は、講演開始後の蛭子さんとマネージャーのやり取り。

マ「蛭子さん、職業は何ですか」
蛭「え~っとね。何だっけ……ハハハ」
マ「マンガ家ですよ」
蛭「マンガ家? そうか~、嬉しいなぁ」
マ「ヘタウマの元祖って言われていたんですよ」
蛭「そうなの? へぇ~」

 と、コメディーのような問答に、初めは戸惑っていた聴衆からは、次第に笑いが漏れるようになってきた。

 トークの途中で急に客席をじっと見つめ始めた蛭子さんが、一人の女性を指さし「女房?」と真顔で聞いた場面では、「奥さんじゃありません。お客さんです。僕が誰だか分かってますか?」と割って入ったマネージャーに「……二重人格」と答えて客席を爆笑させた。

 さらに「今日は100人以上の人が蛭子さんに会いに来てくれたんですよ」には「う~ん。オレにその価値はないよ」と返し、また爆笑を誘う。1時間強のトークを終えた蛭子さんに、多くの拍手が送られた。

 深刻なテーマとなりがちな認知症でも、蛭子さんが口を開くと、結果的には思わず笑ってしまう絶妙トークになる。人柄なのか、それともこれも「ヘタウマ」を極めたからこそできる妙技だったのか。

撮影・福田正紀

週刊新潮 2024年9月19日号掲載

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