総裁選“スタートダッシュ”大成功の高市早苗氏 世論調査でトップ争いも「初の女性総理」誕生に必要な「2つのイメージチェンジ」

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女性有権者が弱点!?

 鈴鹿氏によると、選挙に勝つ定石は「節目、節目で候補者の意外な素顔を紹介し、有権者を二度見、三度見させること」だという。

「政治家が政策を語る場合、単に主張するだけでは有権者の心に届きません。自分の素顔、それも世間一般的には“失敗談”と受け止められるエピソードと絡めながら話すと訴求力が桁違いに増加します。例えば夫婦別姓の問題です。同姓と別姓のメリットやデメリットを理路整然と説明してもダメで、例えば自分の離婚歴を明かしながら夫婦や家族のあり方について有権者に訴えると、関心が一気に集まります。これで成功したのが小泉進次郎さんです。幼少期に両親が離婚したことなどプライベートな話題を率直に語り、『選択肢を拡げる政治家として生きていく』と決意表明に結びつけました」

 保守派の論客として知られる高市氏は男性有権者の支持が強い分、女性票が弱点との指摘は多い。

 そして自民党員は保守的な男性が多いと言われる。高市氏が党員票を集めていると分析される理由の一つだ。とはいえ、与党である自民党の場合、新総裁は新首相となる可能性が非常に高い。高市氏が与党トップとして広範な有権者から人気を得て「選挙の顔」という役割を果たすためには、無党派層の女性有権者から支持されることも必須だ。

“高市旋風”の可能性

「ここで必要なのが魅せ方のイメージ戦略です。政策を語るだけではなく、政策の伝え方として、髪型、メイク、そして上半身をどう魅せるかです。政治家の様子をメディアが報じる際、テレビも新聞もバストショットを使うので上半身が大事なのです。高市さんの髪型、メイク、服装は強さを全面に押しだしたものになっています。これを少し変え、人としての深みや魅力を伝える髪型やメイク、服装を取り入れると、有権者は意外性に驚いて二度見、三度見をしてくれます。リベラルな政策も取り入れて政治家としての幅を示したのと同じように、外見でも強いイメージを和らげ、政治家としての包容力をアピールするのです」(同・鈴鹿氏)

 アメリカ大統領選でも、民主党候補のカマラ・ハリス氏(59)は髪型、メイク、服装だけでなく、話す際の表情や身ぶり、手ぶりまでも専門家の指導を受けているという。

 もし高市氏が従来のイメージとは異なる、温和な印象を与える髪型、メイク、服装に身を包み、自分の“欠点”も含めて包み隠さず語り、そのエピソードと政策アピールを上手に組み合わせることに成功すれば──自民党員だけでなく、無党派層でも“高市旋風”が巻き起こる可能性は充分にある。

「高市さんの陣営もよくご存知でしょうが、国会議員票が伸び悩んでいるという弱点を抱えています。しかし、だからこそ今は党員票の獲得に全力を注ぐべきでしょう。党員票で圧勝すれば、『高市さんは選挙の顔になり得る』と党内に大きな衝撃を与えることができます。そして自民党の国会議員は“勝ち馬に乗る”ことが最優先です。世の中は“高市ブーム”一色だと分かれば、支援を申し出る国会議員が急速に増えるのは間違いありません」(同・鈴鹿氏)

デイリー新潮編集部

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