総裁選“スタートダッシュ”大成功の高市早苗氏 世論調査でトップ争いも「初の女性総理」誕生に必要な「2つのイメージチェンジ」
共同通信は9月16日、「小泉、高市、石破氏が先行 自民総裁選、決選投票の公算」との記事を配信した。27日に投開票が行われる自民党総裁選では9人が立候補しており、そのうち3候補が《先行している情勢が分かった》という。具体的には小泉進次郎氏(43)、高市早苗氏(63)、石破茂氏(67)の3人になる。
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共同通信は国会議員票や党員・党友票(地方票)の動向を探ろうと、自民支持層に電話調査を実施。「新総裁に誰がふさわしいか」と質問したところ、《高市氏が最多の27・7%で、石破氏23・7%、小泉氏19・1%が続いた》という。
選挙コンサルタントの鈴鹿久美子氏は「総裁選は12日に告示されましたが、高市さんはスタートダッシュに成功しました」と言う。
「高市さんの『総裁選に出馬する』という意思は非常に強いものでした。実は、地元の奈良県では結束固めの“勉強会”が、何と昨年から開催されています。当初、周囲からは『高市さんに首相は無理だよ』と悲観論も聞こえてきましたが、次第に『高市さんは本気だ』と感心する人が増えていきました。実際に総裁選を見ていると、準備不足の候補は早くも脱落していることが分かります。高市さんは昨年から入念に準備を積み重ね、地元県連も『奈良から史上初の女性首相を誕生させる』と一致団結しています。高市さんがスタートダッシュに成功した最大の理由でしょう」
高市氏は9月9日、総裁選への立候補を表明し、記者会見に臨んだ。鈴鹿氏は「前から3列目」という絶好の位置で傍聴した。
「高市さんには1時間半の会見で1時間近く、政策について語り続けました。しかも憲法改正や安全保障、外交といった得意なテーマだけでなく、経済対策や食糧問題、省庁再編など驚くほど多岐にわたる分野について言及したのです。高市さんは保守派という強固なイメージがありますが、会見で触れた内容にはリベラルな政策も含まれており、『意外にバランスのいい政策ビジョンだった』と驚いている記者もかなりいました」(同・鈴鹿氏)
支持層を増やす必要性
一方、高市氏は国政レポートを党員に郵送し、総裁選の選挙管理委員会から「今月4日から政策パンフレットなどの郵送を禁止している」と注意を受けた。
「選挙管理委員会のルールに抵触は絶対しない」と高市氏は反論したが、岸田文雄首相が口頭注意以上の対応が必要だと選管に要請するなど、今も波紋が広がっている。
とはいえ、高市氏が“自民党員にパンプレットを送った”という事実は大きい。発送の手間暇や送料の負担を考えれば、簡単にできることではない。鈴鹿氏は「これも“入念な準備”の一つだと考えられます」と指摘する。
「『何が何でも総裁選に出馬する』と強い意思を持ち、準備を重ねてきた候補者の筆頭は高市さんと石破さんでしょう。お二人が世論調査で先行していると報じられているのは、ある意味で当然だと思います。ただし、総裁選の投開票日は9月27日の金曜です。まだまだ選挙戦は長く、メディアが有力と報じる候補者の名前は、これから二転三転してもおかしくありません。高市さんが序盤のリードを維持し、女性初の首相に就任するためには、もっともっと支持層を拡げる必要があります」(同・鈴鹿氏)
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