15年ぶり「代表交代」でどうなる「公明党」 解散総選挙になっても「池田先生の“弔い選挙”。今ならやれる」と手ごたえ

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 公明党代表選挙が18日に告示され、唯一の立候補者、石井啓一幹事長の新代表就任が決まった。創価学会の池田大作名誉会長が死去して間もないタイミングに、公明党としても、15年にわたった山口那津男代表時代が終わりを迎えることになる。秋には解散総選挙が控えるとの見方も強まる中、公明党と創価学会の内部では今、何が起こっているのか。(小川寛大/宗教専門誌『宗教問題』編集長)

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 戦う準備はできたのだろう。

 公明党の山口那津男代表が、9月28日に行われる党大会をもって任期満了にて退任することが決まった。後任は石井啓一幹事長(衆議院議員)。2009年から続いた公明党の“山口体制”が幕を閉じる。公明党の一部関係者には「山口続投論」を唱える向きもあったそうなのだが、そうなると山口氏は党代表として、実に9期目に入ることになる。それはさすがに長すぎるということで、退任の決断となったらしい。

 9月下旬には自民党でも、新しい総裁が選出され、10~11月には解散総選挙となる公算が高い。公明党はそこに向けて新体制を組み、まさに全力で選挙戦を戦っていく準備を整えつつあるわけだ。

 公明党とは周知のように、新宗教団体・創価学会を母体とする政党だ。そして、その学会のカリスマだった池田大作名誉会長は昨年11月15日、95歳にて死去した。つまり、この秋に行われるであろう衆院選は、池田氏の死後、初めて行われる総選挙となる。ある創価学会の古参会員はこう語る。

「これは当然、池田先生の“弔い選挙”という形になる。組織のほうでそう位置づけなくとも、世間がそう見てくる。だからわれわれとしても、負けるわけにはいかない戦いになる」

石井氏の“希望”通りに……

 そうした視点に立った場合、公明党は“秋の決戦”に向けてさまざまな布石を打ってきたことがわかる。

 岸田文雄首相はここ1年ほどの間、たびたび“解散風”を吹かして世間を騒がせてきたが、その度に公明党がクギを刺すという流れがあった。特に今春、「岸田首相が4月に解散を考えているのではないか」という情報が永田町を駆けめぐったときには、公明党は極めて過敏に反応。山口代表は3月に行った講演のなかで、「(自民党裏金問題からの)信頼回復のトレンドを確認できるまでは解散すべきでない」と牽制し、石井幹事長に至っては同月に出演したテレビ番組において、「(解散は)秋が一番可能性が高い」と、露骨に選挙時期を“指定”する勢いで、解散風に抵抗していた。そして実際、石井氏の“希望”通りに、解散総選挙はこの秋、行われようとしている。

 公明党としては、昨年11月に発覚した自民党の裏金問題に巻き込まれる形で選挙戦にのぞむのは、不利と判断していた面が確実にあった。また、公明党は大阪府、兵庫県に「常勝関西」と呼ばれるぶ厚い基盤を持つが、次期衆院選に際しては、日本維新の会が公明党の持つ関西の選挙区に対抗馬を立てると公言しており、この状況を見極める必要性もあった。そういうところから、公明党は早期解散には否定的だったのである。

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