「ドラマのTBS」復活か? 「アンナチュラル」「MIU404」を手がけた最強トリオが「日曜劇場」登場で他局は戦々恐々

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脇役に主役を起用

 大ヒット中の「ラストマイル」には、「アンナチュラル」から三澄(石原)、中堂(井浦新)、東海林(市川実日子)、「MIU404」から伊吹(綾野)と志摩(星野)はもちろん、桔梗(麻生久美子)や陣馬(橋本じゅん)などがドラマの役柄そのままで出演していることでも話題となった。

「複数の過去作の人たちが出てくる、いわゆるシェアード・ユニバース映画で、マーベル・コミックのヒーローたちが集結した映画『アベンジャーズ』のような作品はありますが、現代劇ではこれまであまりない取り組みでした。それももともとこの3人が作っていたドラマだったからできたことです」

 主役級ならぬ“本物の主役”を脇で起用するとは大胆だ。ギャラだってかかるのでは?

「日本の映画は制作費が安いですから、それほど高額は出せないでしょう。『アンナチュラル』と『MIU404』のキャストはそれほど重要な役柄でもありませんでしたし、出演時間も短いのでギャラはお付き合い価格だと思います。それでもドラマの視聴者にとっては強いインパクトが残るのです」

 なぜこの3人の作品は強いのだろう。

ドラマのTBS

「昔と明らかに違うのは、役者が表立ってないことでしょう。かつては、坂元裕二と織田裕二(「東京ラブストーリー」「太陽と海の教室」など)、北川悦吏子と木村拓哉(「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」など)、野島伸司といしだ壱成(「未成年」「聖者の行進」など)のように、脚本家が主演を当て書きで書いていました。ところが、TBS系の女性3人は、誰にでもハマるような作り方をしています。主役を石原や綾野、満島など、作品に応じて柔軟に変えるから強いのだと思います。そのため、見ているほうも飽きが来ない」

 今年6月、宮藤官九郎と組んで「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」「不適切にもほどがある!」などを作ったTBSの磯山晶プロデューサーがNetflixに引き抜かれたことが話題となった。

「磯山さんがTBSを退社したことはショックだったでしょうが、3人はまだ若いですから、今後10年は安泰。それだけに他局としては恐ろしい」

 秋ドラマには、松本若菜が「西園寺さんは家事をしない」(TBS)に続き2作連続で主演を務める「わたしの宝物」(フジテレビ)、反町隆史と杉野遥亮が“相棒”となる「オクラ~迷宮入り事件捜査~」(フジ)、岡田将生と中井貴一の「ザ・トラベルナース 第2シリーズ」(テレビ朝日)なども注目されている。

「フジは月9で数字が取れていませんし、日テレは『セクシー田中さん』の問題から抜け出せていない状態です。テレ朝は『相棒』と『科捜研の女』は続いていますが、『ドクターX~外科医・大門未知子~』の代わりとなるシリーズが見つかっていない。となると、やはりTBSが強い。“ドラマのTBS”が復権しそうです」

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