ベラルーシに「スパイの親玉」と名指しされた社長が激白 「拘束された中西さんは本当に普通の人」

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〈上官〉とされる男性は「まったく関係ない」

「番組の内容は完全なプロパガンダですよ」

 と憤るのは、〈上官〉として紹介された日本人男性。実際には長野県内にある一民間企業の社長であり、特番の内容は“事実無根”だとして、こう続ける。

「私は会社としても個人としても、ベラルーシが言うような諜報機関との付き合いはありませんし、まったく関係ありません。たしかに中西さんは別れた女房の兄なので、面識はあります。8年前に元妻と結婚した直後、ベラルーシに行って会ったことはありますが、その後は社交辞令的にLINEで年に1~2回メッセージを送り合う程度の関係。ちょうどロシアがウクライナに侵攻した時期だったので、気を付けてという意味でメッセージを送りました」

 特番では、中西さんが6年前からベラルーシに住み始め、ウクライナ国境に近い空港や鉄道の駅、橋といった交通インフラなどの写真を9000枚以上も撮影。LINEなどを通じて日本へと送信していたが、その相手の一人が、この〈上官〉だったというのだ。

「本当に普通の人」

 再び社長に聞くと、

「単なる趣味の範囲内で写真撮影していたのだと思いますよ。私が知る中西さんは、とてもスパイ活動をするような人間ではありません。本当に普通の人ですよ。私だって普通の会社の経営者ですから、いろいろな市場に興味はあります。JICA(国際協力機構)とも付き合いがあって、さまざまな国のビジネスに関する情報を知りたかったとはいえ、旧共産圏では商売にならなかったので、中西さんと突っ込んだ話はしませんでした」

 また中西さんがスパイであることの「動かぬ証拠」として、特番後半では〈上官〉とされた社長とLINEでメッセージを交換する場面がある。

 だが、日本語では単に企業の海外進出について二人が会話しているだけなのに、ロシア語に翻訳された字幕を読むと、

〈この前の攻撃はアメリカによる偽装のようです。もし、ここで何か起こったら、すぐご連絡します〉

 などと、まったく異なる内容をでっち上げて放送されているのだ。

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