キャンディーズが意識したのは“可愛いアイドル”ではなく「コーラスやユニゾンを活かせるグループ」、人気曲の収録秘話を伊藤蘭に聞く

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「春一番」はライブの評判で格上げ! 堂々の1位に伊藤蘭も「納得です」

 Spotifyの再生回数ランキング第1位は、’76年に発売された通算9作目のシングル「春一番」。当時のレコード売り上げ枚数では、「微笑がえし」「わな」「やさしい悪魔」に次いで4番手となっているが、サブスクではダントツの1位。本作は、軽快なリズムに乗って ♪もうすぐ春ですね 恋をしてみませんか~♪ と誘うアッパーチューンで、春先になると毎年のようにラジオやテレビで流れる“定番の1曲”となっている。

「『春一番』は、もともとアルバム(前年に発表したアルバム『年下の男の子』)に収録していたのですが、ステージで歌ったところ、お客様の反応がとても良くて。周囲から“シングルカットしたらどうか”という意見があり、私たちからもお願いして実現したという経緯があります」

 「春一番」の評判は、昭和のキャンディーズのライブでも、令和における伊藤蘭のステージでも上々のようだ。

「今でも私のステージでは、オープニングとか、終盤にみんなで歌えるようにするとか、重要なポイントで歌っています。この歌ができてから、キャンディーズや私のコンサートで歌わなかったことがないくらい(笑)。だから、これは納得の1位ですね!」

 ちなみに、ゆず、ウルフルズ、いきものがかりなど、「春一番」をカバーしているアーティストは多く、’22年にはアイドルグループ・アンジュルムのメンバー、上國料萌衣も日本マクドナルドのCMで歌っている。

「ゆずさんのを聴かせていただいて、バンドらしい仕上がりになっていていいなと思いました。さまざまな方が私たちの歌を取り上げてくださっていることが、とても嬉しいです」

 他方、こうしたカバーとオリジナルを聴き比べてみると、キャンディーズ版は、語尾を強調しつつもキュートに歌うのがうまいことに改めて気づかされる。また、伊藤蘭のコンサートでも、それが確かに継承されている。

「それは、もう長年のクセかな(笑)。当時、ディレクターから言われたことの積み重ねでしょうね」

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