立民代表選のウラで「蓮舫」復活の可能性 党内でささやかれる国政返り咲きの「救済策」とは

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 政権交代を訴える立憲民主党の代表選は、話題性も存在感も自民党の総裁選(12日告示、27日投開票)の陰に隠れた印象が強い。

「7日告示、23日に投開票と自民党を意識した日程ですが、立民の支持率はわずか5%ほど。メディアの扱いも“お付き合い”的です」

 と野党担当記者。

ドタバタあっての候補者四名

 立候補したのは、野田佳彦元首相、枝野幸男元官房長官、泉健太代表、吉田晴美衆院議員の四人だが、確定までは紆余曲折が。

「8月21日に一番乗りで表明した枝野氏は、7月の都知事選前に出馬を決めていた。早期に手を挙げて“枝野新代表”の流れを作る狙いでしたが、野田氏のグループ『花斉会』の若手らが追いかけるように野田擁立の流れを表面化させました」

 野田氏は固辞し続けたが、

「一方で、野田氏は若い女性の擁立を自身の出馬条件とした。そこで都連幹事長の手塚仁雄衆院議員が、東京8区選出の吉田氏の擁立に動いた。野田氏は断る理由がなくなり、最後は野党共闘を主張する小沢一郎衆院議員の説得で決断したのです」

 かくして枝野、野田両氏が確定。問題はほかに泉氏や江田憲司元代表代行、そして馬淵澄夫元国交相らも意欲を示していたことだ。

 立民幹部が後を引き取る。

「告示直前の時点でも、泉さんが確保した推薦人は10人超。立候補に必要な20人には届いていなかった。そこで馬淵さんが出馬を取りやめて数人を泉陣営に回したものの、足りなかった。枝野さんを支持するグループのサンクチュアリから何人か融通を受けて、ようやく態勢が整ったのです」

 とはいえ、

「サンクチュアリの一人は“現代表が推薦人すら確保できないとは情けない”と突き放していましたが……」

 当選1回の“陣笠”に過ぎない吉田氏はこんな具合。

「彼女も推薦人が足りず、江田さんの陣営に支援を求めていた。ところが68歳の江田さんは年齢的にも今回が最後のチャンス。“オレがやるしかない”と意欲を示し続けた。最後は女性候補不在という事態を避けるため、泣く泣く身を引きました」(立民中堅議員)

 自民党の劣化コピーさながらのドタバタを経て、体裁だけは保てた格好。党内には「やっていることは自民と同じ派閥政治じゃないか」との厳しい声も。

息を吹き返しつつある“昔の顔”

 党の行方を左右する混乱の中、立民内では“昔の顔”が息を吹き返しつつあるという。都知事選で大惨敗を喫した蓮舫前参院議員だ。

 先の立民幹部が解説する。

「蓮舫さんは小池百合子知事どころか、石丸伸二前安芸高田市長の後塵を拝し、選挙後は“もう辞める”と政界引退を示唆していた。それを元同僚議員らが、毎晩のようになだめ続けた。引退を踏みとどまった最大の理由は、野田さんの代表選出馬。彼女は花斉会の所属だったので、野田さんが代表に返り咲けば、自分も陽の当たる場所に戻れると踏んだのでしょう」

 党内では蓮舫氏の“救済策”が検討されているとも。

「来夏の参院選に全国比例で出馬させる案です。前回衆院選で落選した辻元清美代表代行を救済したのと同じスキームで、これなら確実に当選できるというワケ」

週刊新潮 2024年9月19日号掲載

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