妻を試したくて…不倫&認知を自白 「甘えたかった」46歳夫の愚行に、彼女が見せた反応は

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決意を固めた琢哉さん

「認知するとき、僕は経済的支援はできないと真依子さんに伝えました。彼女は経済的支援は一切受けないと一筆書いてくれた。かっこ悪いとは思ったけど、彼女はそんなことは最初から考えていないとキリッとした表情でした。彼女には彼女のプライドがある。産休をとったら仕事に復帰するそうです」

 そして彼は、慣れない部署ながら奮闘する決意を固めた。どこにいても「存在価値」などないに等しいと思いながら。

「とりあえず真依子さんが喜んでくれたから、これでよしとすることにしました。でも微力でも人の役に立った実感があって、僕にとってもよかったのかもしれない」

 一般的にはかなり変わっていると思われる行為だが、暁代さんにはすべて見抜かれているのかもしれない。そして見抜かれてしまう自分自身に、琢哉さんはイラついているのではないだろうか。どうしても妻に弱みを見せられない男の悲哀すら伝わってくる。

 だが暁代さんはそれも含めて自分の生き方を貫いている。夫婦はともに過ごす時間が長くなればなるほど、どちらかが精神的な不均衡を覚えることもあるのかもしれない。

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 そもそもの出会いからして歪だったのかもしれない…【前編】では琢哉さんと暁代さんのなれそめを紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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