不安高まる“ミネラルウォーター”のPFAS汚染…「エビアン」「クリスタルガイザー」「ペリエ」海外ブランドに対応を質すと
エビアン、クリスタルガイザーは
そこで本誌は、ミネラルウォーターを扱う主要メーカーへ一斉取材を敢行。大手スーパーやコンビニ、通販などで売れ筋とされる国内製品46本の発売元のほか、主要な外国産の輸入代理店3社に質問状を送付し、PFASの濃度を検査しているか、検査結果の具体的な数値、最新の検査日や頻度を尋ねた。
その中から、日本でも流通している外国産ミネラルウォーターを扱う3社の回答を紹介しよう。
たとえば「エビアン」「ボルヴィック」などを販売するダノンジャパンは以下の通り回答した。
〈ダノングループは、製造しているナチュラルミネラルウォーターにおいて、水源から最終製品までの全段階を対象として、PFAS含有検査を含む、数多くの厳格な検査を実施しています。これらの製品はEUおよび各国で適用される規制を遵守するとともに、社内で設定された安全性と品質に関する非常に高い基準を満たしています。〉
さすがにPFASの検査は実施しているものの、具体的な数値や検査日は明示せず、というわけだ。
なお「ペリエ」を販売するネスレ日本も〈厳格な品質管理を適用〉などと似たり寄ったりの回答。「クリスタルガイザー」を販売する大塚食品は、〈PFOA、PFOSともに不検出〉としているもの、やはり具体的な数値や検査日は明かさなかった。
PFAS対策の進む欧米と違い、我が国にはPFASに対する明確な法的規制がまだない。それゆえに曖昧な説明でも通用すると思われたのか。
PFAS問題に詳しい科学ジャーナリストの植田武智氏が言う。
「PFASに対しての社会的関心がここまで高まっているにもかかわらず、企業が情報公開に対して積極性を欠くのは、いかがなものかと思います。消費者の期待に応えているとはとても言えません」
「週刊新潮」では、国内主要ブランド46本についても質問状を送付し、「い・ろ・は・す」や「サントリー天然水」など、各商品の安全性を「三ツ星」で評価。「星」がつかなかった要注意商品や、「三ツ星」を獲得した安全性の高い商品まで、有料版の記事【ミネラルウォーターでも発覚“発がん性物質”「PFAS」 安全な商品はどれ!? 主要ブランド46本に質した全回答】で詳報している。