「かかりつけ医に通う高齢者は必要なし」 マイナ保険証は本当に必要? 医師、薬剤師が徹底解説

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「暗証番号を覚えているでしょうか」

 東京都薬剤師会前会長で「桜台薬局」を運営する永田泰造氏が言う。

「行政とか老人会に言われたといった理由でマイナカードを持たされたという方が多いと思います。そうした方々はマイナカードの4桁の暗証番号を覚えているでしょうか。私の両親はマイナカードは持っていますが、暗証番号は覚えていません。情報管理に自信のない方は、これまで通りの保険証を使うべきです」

 永田氏は薬局について、“ただ薬を処方する場所ではなく、地域のコミュニティーの中心地であるべきだ”との考えを持っている。

「私が一番言いたいのは、“顔なじみの薬局に通い続けよう”ということです。かかっている科によって薬局を使い分けるのではなく、できれば一つの薬局に取りまとめてもらいたいと思います。そもそも顔なじみであれば保険証の提示は求められませんし、過去の情報は全て把握しているので、マイナ保険証に入っているデータも必要ありません」

 なじみの薬局とかかりつけの医者が決まっている高齢者にとって、マイナ保険証は無用の長物に過ぎない。

前編【マイナ保険証を取得しないと本当にまずい? 「“切り替えなくて大丈夫”と伝えている」 医師が解説】では、マイナ保険証を取得するメリット、デメリットについて現役医師らの声を紹介している。

2024年9月19日号掲載

特集「現行の保険証廃止まであと80日余り。切り替えないと本当にまずいのか――。マイナ保険証の『メリット』『デメリット』」より

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