マイナ保険証を取得しないと本当にまずい? 「“切り替えなくて大丈夫”と伝えている」 医師が解説

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「制度そのものについて理解していない人が多い」

 それは地方でも同じで、マイナカードの交付率が8割を超える新潟県粟島浦村の保健福祉課の担当者は、

「村営の診療所でマイナ保険証を使う人は数%です。制度そのものについて理解していない人が多いのではないでしょうか」

 と話すし、マイナカード交付率が9割を超えている宮崎県都城市の松山医院の担当者に聞いても、

「利用率は2割弱です。当院の患者様の層が高齢なこともあり、機械での操作に抵抗があるのと、ニュースなどでシステムの不具合が報じられたことによる不安が多いようです」

 同市デジタル統括課の佐藤泰格氏もこう語る。

「マイナ保険証のメリットや、そもそも何のためにあるのかといった存在意義の議論が置き去りになっていると思います。住民の方と話していても『何のために』という部分の理解が欠けていると感じます」

マイナ保険証か「資格確認書」

 現行の保険証が「廃止」されるリミットは刻々と迫っているが、マイナ保険証への理解が進んでいるとは言い難い状況のようだ。ただし、タレントのなかやまきんに君や俳優の内藤剛志などを起用したCMや、病院に貼られた啓発ポスターやチラシを見て、「期限」が近いことを把握している人は多いのではないか。

 一部のチラシに小さな文字で書いてある通り、12月2日時点で有効な保険証は最大1年間有効である。しかし、その後のことについてCMやポスターでほとんど言及されていないのは不可解というほかない。

「現行の保険証が使える“猶予期間”が過ぎてからもマイナ保険証の利用登録をしていない人に対しては、自治体や勤務先の健康保険組合などから『資格確認書』が届けられます。これは現行の保険証の代わりに使えます」(全国紙デスク)

 つまり今後、われわれはマイナ保険証と「資格確認書」、どちらを使うかの選択を迫られることになるのだ。

「患者さんに“12月2日からマイナ保険証しか使えないのか?”と聞かれたら、当院の受付窓口では“今の保険証は12月以降も期限まで使えますよ。期限が来ても資格確認書で大丈夫ですよ”と伝えるようにしています」

 そう語るのは、大阪府守口市にある北原医院院長で大阪府保険医協会副理事長の井上美佐氏である。

「“マイナ保険証を使っていいか”と聞いてくる人には“使って下さい”と言いますが、“使わなアカンのか”と聞かれたら“別に使わなくていいですよ”と答えています。すると、“今からちょっとやっておかないと”といった感じでマイナ保険証を使ってみようとする人がいる一方で、“じゃあやめとくわ”とひっこめる人も結構います」

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