ホス狂いの娘が「600万円を盗んで家出」 身も心もボロボロの母子はいかにして“生還”したのか

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ホストに狂った娘、鬱になってしまった父

 一連のハルトの振る舞いにより、彩菜さんの目は完全に覚めたという。繁華街のきらめきが忘れられなかったのか、一時は銀座でホステスをしていたものの、いまは昼の仕事に就き、ひとり暮らしをしている。心配はないのだろうか。

「本人もホスト狂いの時期を振り返って『あの時はごめんなさい』と言っていますし、夜にうなされて目がさめることもある、と言っています。今度は信用してもいいかな、と思っているのですが」

“私がぼんやり生きていて世間知らずだったのも悪かったのかも”と今回の件を振り返る佳代さんだが、こんな怒りも口にする。

「最初はうちの娘がバカなばっかりに引っかかったと思っていましたが、『青母連』の活動を通して、ホスト業界がシステム的に若い女の子たちを引きずりこんでいることもわかってきました。別にホストクラブそのものは否定しませんが、若い子に数百万円の借金を負わせて、支払わせるレールに乗せて、なんとも思わないのかな、と。自分の娘が同じ目に遭ったらどう感じるんでしょうか 」

 佳代さんの参加する青母連では、娘がホストにハマった家族たちが定期的に集まり、語り合う機会を設けている。大学生の娘がホスト通いのために身体を売っていたことを知り、鬱になってしまった父親などもいる。我が子のホス狂いに胸を痛める親たちは、日本に多くいるのだ。

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【前編】では、彩菜さんから巨額の売掛金の存在を打ち明けられた際の衝撃と共に、本件のきっかけを報じている。

酒井あゆみ(さかい・あゆみ)
福島県生まれ。上京後、18歳で夜職を始め、様々な業種を経験。23歳で引退し、作家に。近著に『東京女子サバイバル・ライフ 大不況を生き延びる女たち』(コスミック出版)。主な著作に『売る男、買う女』(新潮社)など。X @sakai _ayumi333

デイリー新潮編集部

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