「海のはじまり」有村架純と「西園寺さん―」松本若菜 “こじらせているのはどっち?” 話題の2強ドラマで見えた“寛容度”の違い

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最終回へ高まる期待

「『海のはじまり』を振り返ると、夏は弥生とデートをする度に水季の名前を出し弥生を困惑させます。こうした心の負担から逃れるため弥生は別れを決めました。一方、『西園寺さん―』では、亡くなった瑠衣への思いを涙ながらに切々と打ち明ける楠見を、西園寺さんは優しく抱きしめます。そして、『楠見君の中の瑠衣さんの話でしょ? じゃあやっぱり楠見君の話だよ。だから嫌でも退屈でもない。話したいと思ったら話してほしい』と楠見を丸ごと受け入れます。設定上、年齢や人生経験の違いはあるものの、この2人の寛容の度合いは大きく違います」(前出の放送ライター)

「海のはじまり」の第10話では、海が夏の部屋で、母親の水季が生前書き残した手紙を発見。海から「何で読まないの?」と聞かれると、夏は「海ちゃんとの生活は1人で頑張りたいから。それまで水季の言葉には頼らない」と語った。ここでの夏は意外なほど頑固で、偽家族や仮彼氏が互いに頼り合うことを是とする「西園寺さん―」とは対照的だ。そういう文脈からいえば、弥生もかなりの頑固者なのか。

 テレビ局関係者がこう解説する。

「『西園寺さん―』に登場する保育園の保護者は、口々に『娘は旦那の連れ子』『奥さん、単身赴任中』『うちなんてパートナー、女性ですから』と明かすなど、多様な家族像を肯定していてオープンなムード。セミファイナルとなった第10話の世帯視聴率は、7.0%と前回の6.2%から大幅に上昇したことも、最終回への期待の高まりを感じさせます。

 それに対し、『海のはじまり』はシングルファーザーのリアルな姿を丹念に描きたいのでしょうが、ドラマとしては視聴者が感じる通り、重くて暗いまま最終回に向かっています。どちらもそれぞれの魅力があると思いますが、あと2回の放送を残している『海のはじまり』には、これまでの重苦しさを吹き飛ばす、爽やかなハッピーエンドを期待したいですね」

 水季が夏に残した手紙の内容。そして、弥生の最後の決断――。果たして、どのような最終回を迎えるのか。

デイリー新潮編集部

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