「石破さんは天敵・麻生さんにも頭を下げる覚悟」 石破氏本人も「プラスになることは何でもやる」【総裁選】
「天敵・麻生さんにだって頭を下げる覚悟」
麻生氏が石破氏を褒めそやす。一体、どういう風の吹き回しか。それはズバリ、保身のためだった。
「麻生氏はお膝元の福岡県で武田良太元総務相(56)と覇を競い、両者は不倶戴天の敵同士。よりによって、その武田氏と菅氏は親密な関係なのです。小泉政権が誕生して菅―武田ラインが党内で力を持つと、引退もささやかれる麻生氏は、自身の福岡での後継者選びを武田氏に邪魔されかねない。麻生氏はこの際、遺恨を水に流してでも、石破氏に賭けるしかないのです」(自民党関係者)
石破氏にとっては渡りに船だ。というのも「菅氏のほか森喜朗元首相(87)の支援も得ている小泉氏に対して議員票で劣勢」(同)にあり、応援団は喉から手が出るほど欲しい。
石破陣営の選対本部長である岩屋毅元防衛相(67)にこの点を問うと、
「2回目の投票になった場合は、各陣営の皆さまから幅広く支援を得ないと勝利することができないので、あらゆる方面に働きかけをしていきたいと思います」
と述べるにとどまったが、石破陣営のある議員ははっきりこう言い切った。
「今回は、過去4回敗れている石破さん自身が明言している通り“最後の戦い”になる。彼はどなたにでも頭を下げる覚悟を持っています。もちろん、天敵と言われてきた麻生さんにだって頭を下げますよ」
「プラスになることは何でもやります」
石破氏本人にも他陣営への働きかけについて聞いた。
「当然、やっていますが、自分自身は詳しく把握はしていません。ただ、ご支援いただいている方々に“あの人にもう一回電話しなさい”“(相手のもとへ)行って頭を下げなさい”と言われれば“はい、分かりました”と」
“小泉対石破”の決選は究極の選択、と言われるが。
「申し訳ないことですね。それは、私にも足らざるところは沢山あって、そう思われてしまうので。今からでも直せることがあれば、直しましょう、ということじゃないでしょうか。候補者は、批判に口答えしても仕方がないのでね」
麻生氏に支持を求めるかと聞くと、こう答えた。
「プラスになることは何でもやります」
次ページ:「自民党議員にとって、どちらでもいいんじゃないですか」
[2/3ページ]