「進次郎氏は“経験不足の天才子役”」「石破氏は“仲間のいない政策通」 総裁候補筆頭二名の戦局の行方は【総裁選】
“仲間のいない政策通”
次は石破氏。
「小泉氏に比べて安保・外交面での知識・経験は豊富。でも、本人が自覚する通り周囲に仲間がおらず、党内に支持者がほとんどいない。仮に総理総裁になっても、足を引っ張る人間さえ現れそうです」
作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏の見方はやや異なる。
「小泉氏の経験不足が言われていますが、安保・外交に限って言えば、秋葉剛男(たけお)国家安全保障局長を留任させれば大きな問題は起きないはず。その面は現在、秋葉氏がしっかり一人で支えているようなものだからです。むしろ石破氏のほうが独自色を出そうとし、混乱を招きかねません」
見栄えだけで“経験不足の子役”と、自負は強いが“仲間のいない政策通”。たしかに究極の選択ではあろう。
推薦人を貸し出す動き
で、目下、水面下では両氏による決選を見据えたうごめきが。政治ジャーナリストの青山和弘氏が言う。
「菅義偉前首相(75)は支援する小泉氏の勝利に向けて、さまざまな手を打っています。例えば、菅氏は加藤氏の陣営に推薦人を貸し出す動きを見せている。決選で加藤陣営を引き入れるため、恩を売っているわけです。8月20日には茂木氏とも会合を持ちました。新政権でのポストをちらつかせ、決選での協力を呼びかけたとみられています」
後編【「石破さんは天敵・麻生さんにも頭を下げる覚悟」 石破氏本人も「プラスになることは何でもやる」】では、石破氏本人へのインタビューを交えながら、総裁選の戦局のウラに迫る。
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