「好きなだけ食べて、お酒も飲むのに5キロ減少」 有名女医が実践する、続けられる「キャベツ健康法」

ドクター新潮 ライフ

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血管の中を金平糖がごろごろ流れているようなもの

 もう一つ食物繊維の効能を挙げると、糖質の吸収を緩やかにしてくれること。すると、血糖値が上がりにくくなる。

 血糖値と聞いてもそれが体にどんな影響があるのかピンとこないかもしれません。血糖値が高いということは、血管の中を金平糖がごろごろ流れているのをイメージするといい。多すぎる糖分が血管を傷つけているのです。金平糖は内臓も傷つけ、やがては糖尿病や循環器の病気につながる。それを防いでくれるのが食物繊維なのです。ご飯やパンを、キャベツと一緒に食べるのは医学的にも正しいといえます。さらに食物繊維には体内のコレステロールを吸着する機能もある。

 カリウムも含まれています。葉っぱ2枚に含まれているカリウムは約200ミリグラム。カリウムは塩分を排出し、血圧を下げてくれる。体がむくみがちな人は、塩分をため込んでいることが多いのですが、大体カリウムが足りていません。

 適切にカリウムを摂取できていると、おしっこの出が良いと実感できます。私自身、お酒が好きなので、昔は次の日にむくんでしまうことが多かった。ところがキャベツ食を始めたら、お酒を飲んでいる間も、よくおしっこに行きたくなるんです。意外な発見でした。でも、これは序の口。キャベツにはもっと大事なものが含まれています。

キャベツのがん抑制効果

 イソチオシアネートという物質をご存じでしょうか。一般に野菜や果物には抗酸化作用がある「フィトケミカル」という成分が含まれています。

 植物は芽が出てから、ずっと同じ場所で太陽の紫外線にさらされながら育ちます。紫外線は、遺伝子を傷つけ皮膚がんや肌老化の原因になる。動くことができない植物は紫外線の影響を防ぐためにフィトケミカルを自分で合成するようになったといわれています。ポリフェノールやアントシアニン、リコピンといった物質が知られていますが、とくに抗酸化作用が高いといわれるのがイソチオシアネートなのです。この物質はキャベツにたっぷり含まれているのです。

 1990年にアメリカの国立がん研究所が、がん抑制効果の高い野菜をピラミッドのようにランク付けして発表しました。「デザイナーフーズ・ピラミッド」というもので、その頂点にニンニクやショウガなどと並んでランクされたのが、キャベツでした。

 ニンニクはいかにも健康に良さそうですが、キャベツのような「普通の野菜」が、もっともがん抑制効果が高いと知ったら、驚かれるかもしれません。

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