大谷翔平の“デコピン始球式”だけではない!日本球界で愛された「ボール犬」 そして「ボールモンキー」も

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世界初のボールモンキー・ゴウ君

 世界初のボールモンキーとしてデビューしたのが、神戸モンキーズ劇場のニホンザル、ゴウ君(オス)である。

 竹馬に乗ったまま輪くぐりをしたり、特製のトンボでグラウンド整備をするなどの多芸ぶりを買われ、オリックスのボールモンキーとして2006年8月2日の日本ハム戦でデビュー。3回終了後、5個のボールが入った籠を柿木園悟球審に渡すはずだったのに、ゴウ君はスタンドの声援に緊張したのか、ボールをこぼしてばかりで、ついに断念。5回終了後に2度目の挑戦も、球審のもとに籠を運んでいったまでは良かったが、籠を放り出して退散してしまい、デビューを飾ることができなかった。

 さらに8月20日の楽天戦でも、前回同様、ボール籠をひっくり返してしまい、パートナーの二助さんを「初回以上にダメでした」とガッカリさせた。

 こんな具合に1年目は失敗続きだったが、翌2007年3月29日の日本ハム戦では、3、5回のいずれも飯塚富司球審に無事ボールを届け、任務に成功。4月13日にはウエスタンのサーパス(オリックスの2軍)対ソフトバンク戦のセレモニーで、大玉に乗る曲芸も披露している。

 今季は6月30日の日本ハム対ソフトバンクで、「ワンだふるフェスティバル」と銘打ち、ファイターズのユニホームを身にまとったゴールデンレトリバー犬が始球式のボール運びを担当。SNSでも「ミッキーを思い出したよ」などの声が上がっていた。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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