「ドッキリGP」プロデューサーが明かすSnow Man「向井康二」抜擢の理由 スタッフ全員が「マッサマン」人気爆発を確信した瞬間とは

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今年もコア視聴率で一時「24時間テレビ」を抜いた

 2021年の好評を受け、翌年も4時間スペシャルを放送。このときは、ネルソンズ・和田まんじゅうのドッキリシーンが、「24時間テレビ」のコア視聴率を抜き去ったという。「旧約聖書」に登場する巨人兵士・ゴリアテは、羊飼いの少年・ダビデに倒されたが、相手が「24時間テレビ」であったとしても、情熱とアイデア次第で和田まんじゅうが風穴をあけられることを証明した。Xでは、「ドッキリGP」がトレンドになることが恒例となり、今年も一時「世界一」のトレンドワードに輝いた。確固たる人気を得たことで、「ドッキリは地球を救うのか?4時間テレビ」は、フジテレビの夏の風物詩になりつつある。

「最近は、年配者に支持される番組は世帯視聴率のみが高く、若者に支持される番組はコアのみが高い傾向にあります。『ドッキリGP』は60歳以上の視聴者はほぼ見ていないため、世帯視聴率が重要視されていた時代なら、終わっていたと思います」

 現在の日本は、60歳以上の人口がとても多い。世帯視聴率は、高齢者が視聴しないと伸びない数字。裏を返せば、『24時間テレビ』の視聴率が高いのは、この層にリーチしているからとも言える。

 蜜谷氏は、「『ドッキリGP』スタッフの熱意はすさまじいものがある」と舌を巻く。

 たとえば、戦国時代に真田氏と徳川氏が交戦した「上田城の戦い」の中で、真田軍がおかゆを飛び道具にして徳川軍を追い払ったという逸話がある。「ドッキリGP」スタッフは、これをドッキリに応用できないかと考えたという。

「熱湯や冷水は何度も仕掛けたことがありますが、おかゆは未経験です。そのため、スタッフは“何℃のおかゆが最適解なのか”について何か月も議論していた。『お湯と違って流れ落ちないから50℃だと熱すぎる。47℃はどうだろう?』なんて話している。本当に四六時中ドッキリのことばかり考えている集団なんですよね。頼もしいと同時に、我ながら“どうかしている”チームだと思っています(笑)」

ライブ通いで目に留まった向井康二のトーク力

 今年放送された「ドッキリは地球を救うのか?4時間テレビ」では、その壮大さとくだらなさが掛け合わさったドッキリに対して、爆破ドッキリに引っかかった森脇健児が、「ここのスタッフ、頭ちぎれてるわ」と漏らしたほど。

 だが、こうした異常なまでのこだわりが、名企画、名物キャラクターを生み出した。「お台場冒険王2024」のメインキャラクターにまで上り詰めた「マッサマン」は、その最たる例だろう。扮する向井康二(Snow Man)抜擢の裏側を、蜜谷氏が振り返る。

「STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属のアイドルのライブに足しげく通うようにして、『ドッキリGP』にハマる原石がいないかを探していました。パフォーマンスだけでなく、合間のトークなども観察していて、向井君の存在が気になった。そこで、試しに彼を仕掛け人にしてドッキリをしてみようと企画したんですね」

 最初は仕掛け人として。ところが、「お化けが出てくる」ことを知っているはずの仕掛け人である向井本人が、ターゲット以上に飛び上がって驚いた。

「リアクションも面白いのかと(笑)。実際、彼にドッキリを仕掛けてみると、リアクションが素晴らしい。純粋な向井君だからこそ面白くなるし、ちょっと雑な仕掛けでも疑わず引っ掛かってくれるので、コストパフォーマンスもいい。きれいにきちんと面白く引っかかってくれる貴重な存在だなと。ですが、番組に加わった当初は、スタジオトークが空回りすることも珍しくなく、うまくアジャストできなかった。そこでスタッフ全員で、『向井くんが活躍するコーナーをなんとか作れないか』と考えた」

 考えた結果、リアクションの良さを最大限にいかすためバンジージャンプを仕掛けた。そのたびに、向井は制作サイドの期待を上回るK点越えのパフォーマンスを発揮。そうして行き着いた先が、クレーンを使うことで地上から空中へと放り出される「逆バンジー」だった。

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