齋藤知事の退職金は「1500万円以上」、年収は「1700万円」 辞職しない意外な理由とは

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運転手にまで住所を隠す徹底ぶり

 それにしてもなぜ、齋藤知事は責任を取ろうとしないのか。原因は、彼の特異な性格によるものだとみる向きがある。

 地元メディアの記者はこう語る。

「彼は一連の騒動で注目を集める前から、プライベートを全く明かさない“秘密主義者”として有名でした。例えば普段、奥様を人前に連れて来ることは絶対にありません。3年前に知事選が行われた際、彼が当選した瞬間と他に1~2度ほど、奥様がチラッと現場に顔を出したことはありましたが、それ以外の公の場で彼女の姿を見た者はいないのです」

 また、送迎を担当する公用車の運転手ですら、彼の自宅住所を知らないのだという。

 県庁の関係者によれば、

「齋藤さんは運転手に自宅から少し離れた“ランデブーポイント”を指定しており、必ずそこで乗り降りをしてきたそうです。一流芸能人のごとく、自宅住所がバレるのを極度に恐れていたとのことです。県の災害対策本部が作成した名簿にも、他の職員は皆住所を記載しているのに、知事の欄だけが真っ白になっていました」

 齋藤知事は総務省のキャリア官僚だった頃、出向先の宮城県仙台市で、同じく出向していた兵庫県の職員4人と近しくなった。兵庫県知事となってからは、彼らを側近として重用していたのだが、

「この“4人組”の中でも、彼の住所を把握し、実際に家まで行ったことがあるのは、1人だけだったと聞いています」(同)

“コネがあっても…”

 齋藤知事は総務省の役人時代、大阪府に出向。維新共同代表で府知事の吉村洋文氏(49)に仕えた。

「今回、齋藤知事は、自身を政治家に引き上げてくれた吉村知事から直接、辞職するように説得を受けました。しかし、頑としてこれを拒否したようです。もう誰の言うことも聞かないでしょうね」(前出の県政担当記者)

 かつて相談相手として名前が挙がった神戸市長の久元喜造氏(70)や“4人組”とも関係が切れており、完全に孤立しているとみられるという。

「今、彼にアドバイスができるのは法的な知見を授けている弁護士と、奥さんだけだといわれています」(前出の県庁関係者)

 さて、“孤独な暴君”は知事をクビになった後、どのように生きていくのか。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞くと、

「長年、行政の世界で仕事をしてきた彼がこの先、急に他の分野で生きていくのは現実的ではありません。そう考えると、総務省時代のコネクションを生かして企業の顧問になったり、シンクタンクを立ち上げたり、といったあたりになるでしょう」

 だが、自らの問題で県政を混乱させた責任はあまりに大きい。

「やはり、行政のトップに最も必要な危機管理能力が、圧倒的に欠けていたという残念な評価が付いて回るはずです。となると、結果が何よりも大事なビジネスの世界では、どれだけコネがあったとしても、良い仕事はなかなかもらえないと思います」(同)

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