小泉氏が「夫婦別姓」に踏み込めば、石破氏は「金融所得課税」強化に言及…自民総裁選で“国民目線”の政策論争が展開されるウラ事情

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 自民党総裁選が9月12日に告示された。27日の投開票日まで、候補者による充実した論戦を期待したい──。こうした国民の思いは、過去の総裁選では叶わぬ願いだった。ところが今回は異例の展開となっており、多くの候補者が“国民を意識した公約”を発表している。これが選挙の結果にどのような影響を与えるのだろうか。

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 立候補の届け出を提出したのは年齢の若い順に小泉進次郎(43)、小林鷹之(49)、河野太郎(61)、高市早苗(63)、林芳正(63)、石破茂(67)、加藤勝信(68)、茂木敏充(68)、上川陽子(71)──の9氏。

 TBS NEWS DIGは9月8日、「【速報】『次の自民党総裁にふさわしい人』1位は小泉進次郎氏、『立憲代表にふさわしい人』1位は野田佳彦氏 9月JNN世論調査」との記事を配信した。

 7日と8日にコンピューターが作成した無作為の電話番号を使い、固定と携帯に電話する「RDD方式」で世論調査を実施。「最も総裁にふさわしい人」を質問したところ、トップ3は以下の顔ぶれとなった。

【1】小泉進次郎氏(28・5%)
【2】石破茂氏(23・1%)
【3】高市早苗氏(9・2%)

 自民党支持者の回答だけを調べても、顔ぶれや順位は変わらなかった。他社の世論調査でも、この3氏が人気だ。現時点での最有力候補と言っていいだろう。この3氏も積極的に“公約”を発表し、一部には“論争”が起きているトピックもある。担当記者が言う。

小泉氏VS高市氏

「例えば『選択的夫婦別姓制度』です。小泉さんは9月6日の出馬会見で別姓制度を導入するため、法案を提出する考えを示しました。これに対し、高市さんは9日の出馬会見で夫婦別姓の制度化には慎重な姿勢を見せた上で、『婚姻で姓が変わることによる不自由を解消したい』とは明言。旧姓の通称使用に法的根拠を与えれば、『ほとんどの不便は解消される』と訴えたのです」(同・記者)

 小泉氏と高市氏の間では、「大企業の解雇規制の緩和」を巡っても“論争”が起きている。

「小泉さんは6日の出馬会見で『労働市場改革の本丸である解雇規制の見直しに挑みたい』と発言したのです。大企業だけ解雇ルールを見直し、人材の流動性を高めると主張。『来年国会に法案を提出していきたい』と具体的なスケジュールまで明言しました。一方、高市さんは9日の会見で見直しには『反対だ』とし、『日本の解雇規制がきつすぎるかというとそうではない』と反論しました」(同・記者)

 金融所得課税の強化を巡っても“論戦”が起きている。口火を切ったのは石破氏。9月2日にBS日テレの「深層NEWS」に出演し、株式の売却益など金融所得に対する課税強化を「実行したい」と発言。いわゆる格差社会の是正に積極的な姿勢を示した。

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