バーレーン戦の圧勝で世界に示した日本代表の“実力” 4連勝に現実味…早ければ年内に予選突破の可能性も
北中米W杯のアジア最終予選第2節が9月10日に開催され、敵地でバーレーンと対戦した日本はFW上田綺世とMF守田英正の2ゴールなどで5－0と圧勝。開幕から無失点の2連勝でグループCの首位に立った。【六川亨／サッカージャーナリスト】
＊＊＊
【写真をみる】「レジェンドぞろいじゃん！」 2010年W杯バーレーン戦・日本代表の“懐かしすぎる1枚”
前半はバーレーンの術中にはまった感があった。リトリートして守備を固め、5BKでスペースを消してくる。マイボールになってもアグレッシブに攻めようとはせず、「0－0のまま時計の針を進める」のが狙いとでもいうような試合運びだった。
時折、左サイドのMFモハメド・マルフーンにロングパスを出してカウンターを狙うものの、彼とは1月のアジアカップで対戦済み。MF堂安律がプレスバックし、DF板倉滉もカバーに入って決定的なシーンは作らせなかった（ヒヤリとしたシーンはあったが）。
先制点は前半37分、久保建英に代わってスタメンに入ったMF鎌田大地の右クロスがバーレーンDFのハンドを誘いPKを獲得。これを上田が確実に決めてリードを奪った。
ただ、0－1となってもバーレーンは慌てなかった。このまま試合を進め、終盤のどこかでワンチャンスがあれば同点に追いつくことができるというゲームプランだったのかもしれない。
そんな彼らの期待を打ち砕いたのが後半2分に上田が決めた2点目だった。
前半の日本は左サイドの三笘薫と鎌田の2人は機能していたものの、右サイドの堂安と南野拓実は存在感が希薄だった。個人技で局面を打開できず、コンビネーションプレーもほとんど見られず閉塞感が漂っていた。
6－0や7－0の可能性も
そこで森保一監督は後半開始と同時に堂安に代えて伊東純也を投入。この采配がずばり的中した。三笘、鎌田、伊東とつないだボールを伊東が折り返すと、ペナルティーエリア中央で上田がワントラップ後に右足シュートをゴール左スミに叩き込んだのだ。
この1点はバーレーンに重くのしかかったに違いない。1点ならワンチャンスということもあるが、この日の試合内容から彼らが日本を相手に2ゴールを奪うのは非現実的だからだ。
その後は守田が上田のワンツーで抜け出したり、三笘のクロスをゴール前でフリーとなって押し込んだりしてゴールラッシュを演出。さらに交代出場のFW小川航基がダメ押しの5点目で締めくくったが、小川や浅野拓磨が確実に決めていれば6－0、7－0という試合だった。
これで日本は2試合連続クリーンシートの2連勝。同日に開催された予選では、サウジアラビアが退場者を出しながら中国に2－1と逆転勝ちしたものの、オーストラリアはインドネシアと無得点ドローと苦しんでいる。
10月10日に日本は敵地でサウジアラビアと、15日はホームでオーストラリアと対戦するが、ここまでの両国の試合内容からすると2連勝もありえるだろう。
[1/2ページ]
