「自民党総裁選」大乱立なのに「公明党代表選」出馬は1人…「池田名誉会長」没後初の代表選に見る「公明党」衰退
党代表が落選の可能性も
東大から建設省(現・国土交通省)に入省し、93年の衆院選に中選挙区の旧東京5区から公明党公認で出馬して初当選。安倍内閣では国土交通大臣を務め、3年11カ月の在任期間は歴代最長、2020年からは公明党幹事長に就いている。
「初出馬の時はギリギリの3位当選で、それ以後は比例東京ブロックに移りました。元官僚ですから実務能力はあるのでしょうが、選挙に強いわけではない。地味な人なので学会女性部でもそれほど人気があるわけでもないようです」
ところが、次期衆院選では前述の“10増”のひとつである埼玉14区からの出馬が発表されている。
「公明党は国政選挙での比例得票数の減少に歯止めがかからない状況です。22年夏の参院選では800万票の目標を掲げましたが618万票に留まりました。小選挙区の候補を増やし、全体の議席数を維持しようというわけです。そのため、石井幹事長を小選挙区で勝たせた後に、山口代表から禅譲という筋書きを考えていたようです。ところが、岸田首相が衆議院を解散せず、自民党総裁選が先になってしまいました。おかげで公明党も、代表交代が先になってしまったのです」
小選挙区からは初出馬だが、党代表の身では選挙区に張り付いてもいられない。
「自民党とのパイプもない石井氏ですから、落選もあり得る。実際、09年の衆院選では太田代表も落選しているのですから、与党への逆風次第では、その可能性はあります。ましてや、池田名誉会長が亡くなって初めての総選挙ですから、学会員はどれだけ動いてくれるのか。学会の女性部から『池田先生の指名がなかった代表だから上手くいかなかった』なんて言われかねません」