「自民党総裁選」大乱立なのに「公明党代表選」出馬は1人…「池田名誉会長」没後初の代表選に見る「公明党」衰退

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 公明党の山口那津男代表(72)は9月4日の定例会見で、18日に告示される党の代表選に立候補しないことを表明した。8期15年の長きにわたり公明党のトップを務めてきた山口代表は、「世代交代が確実に行われてきた」と胸を張った。

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 山口代表の会見は54分に及んだ。その冒頭を紹介しよう。

山口代表:このたびの公明党の代表選挙に、私自身は出馬をしないということを明確に申し上げたいと思います。18日が公明党の代表選挙の受付締切日となっておりますけども、このタイミングで私は出馬をしないことといたしました。かねてより公明党の世代交代を図っていくということが、私の任期中の課題でもありました。

――山口代表は2009年の就任以来、8期15年にわたり代表を務めてきた。

山口代表:公明党は定年制を設けて、党の活力を維持することをモットーとしてまいりましたけれども、前回の参議院の選挙でも私は定年制の例外としてこの任期を任されました。その上で代表の務めも継続してきたわけであります。

――ご存知ない方もいるだろうが、公明党は議員の任期中に69歳か在職24年を超える場合は、原則、選挙では公認しないという内規がある。現在72歳の山口代表は、すでに定年をオーバーしているのだ。

山口代表:その間、後進の育成を進めてまいりました。任期15年に及びますけれども、その間、世代交代が確実に行われてまいりました。特に私が初当選した90年、さらには次の93年の(衆議院)選挙で、当時の公明党の大幅な世代交代が行われたわけでありますが、また、一時期に集中して行われたために世代の偏りのようなものもありました。その後のたび重なる国政選挙で、順次、若いメンバーを入れ替えて、いわば人材のラインを作り直してきたという経過でもあります。中堅・若手の人材も育ってまいりましたし、新しい陣容を整える状況が来た、このようにも認識いたしました。

――8期15年、ずいぶんと後進の育成に時間をかけたものである。そして山口代表は、奇妙な発言をするのだ。

“60歳代”以下に世代交代

山口代表:もうひとつ、今、内外ともに、政治の世界に世代交代の波が押し寄せているようにも感じます。我が国においても、この9月のタイミングで連立政権のパートナーである自民党の総裁選挙、岸田(文雄)総裁が不出馬宣言をして、すでに7名に及ぶ総裁選の立候補者の名乗りが上がっており、これからも増える可能性があります。また、立憲民主党の代表選挙も7日にスタートして、今、運動しているというところであります。こうしたことを見た限りでも、やはり60歳代以下の世代で次の政治が司られていくということは明白であります。齢70を超えた私としては、やはり次の世代にバトンを譲るべきであると決断したわけであります。

――自民党の総裁選には43歳の小泉進次郎・衆議院議員、立民の代表選には50歳の泉健太・現代表、女性では52歳の吉田晴美・衆議院議員が立候補している。また、今年1月に日本共産党中央委員会幹部会委員長に就任した田村智子・参議院議員は59歳、共産党史上初の女性委員長である。

 対して公明党は、《60歳代以下》で世代交代を図ると明言した山口代表自身が72歳なのだから、世代交代とは言えない程度の若返りである。公明党関係者に聞いた。

「18日の代表選には石井啓一幹事長(66)が立候補するので、無理矢理“60歳台以下”と言っているのでしょう。はっきり言って、支持母体の創価学会同様、公明党も世代交代が図れていないということです」

 66歳の石井幹事長は、確かに年齢では定年まであと3年。ただし、93年の衆院選が初当選だから在任期間は30年以上、すでに定年は過ぎている。ところで、公明党の代表選挙など聞いたことがないが……新聞各紙は「代表選は石井氏以外に出馬の動きはなく、18日に代表就任が確定し、28日の党大会で正式に選出される」と当たり前のように報じている。

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